さて、改めてお知らせします。
しむじゃっくPresentsアガリスクエンターテイメント公演『わが家の最終的解決』。
ここ最近のアガリスクエンターテイメントの本公演で、受付やチケット周りを担当してもらっていた制作ユニット・しむじゃっくさん。そこに運営とか全体の準備をしてもらって、アガリスクエンターテイメントで作品をつくる公演を打つことになりました。
まずは公演情報をば。
しむじゃっくPresentsアガリスクエンターテイメント公演
『わが家の最終的解決』
脚本・演出:冨坂友
■日時■
2016年5月4日(水)~5月15日(日)
5/4(水)14:30
5/5(木)14:30
5/6(金)19:30
5/7(土)14:30/19:30
5/8(日)14:30
5/9(月)14:30/19:30
5/10(火)休演日
5/11(水)19:30
5/12(木)14:30/19:30
5/13(金)19:30
5/14(土)14:30/19:30
5/15(日)14:30
■会場■
シアターKASSAI
池袋駅東口より徒歩6分
■料金■
前売券:3,200円
当日券:3,500円
高校生以下:1,000円
■チケット発売■
3月19日(土)10:00~
ご予約はこちらから! 予約フォーーム!!
■あらすじ■
1943年、オランダ・アムステルダム。
ドイツから来た男女が幸せそうに暮らしている。
誰もが羨む若い二人。
しかし、彼は周りに隠していた。恋人がユダヤ人であることを。
そして、彼は恋人に隠していた。自分がゲシュタポであることを。
制作ユニット・しむじゃっくがプロデュースするアガリスクエンターテイメント次回公演は、ゲシュタポ(ナチス秘密警察)とユダヤ人の一家を舞台にした異色の新作シチュエーションコメディ!
コメディの切り口で新たな面からホロコーストを描き、ホロコーストを背景にしてシチュエーションコメディを深化/進化させる、ブラックで暖かく、残酷で笑えるホームコメディ!
■出演■
淺越岳人
鹿島ゆきこ
熊谷有芳
甲田守
塩原俊之
沈ゆうこ
津和野諒(以上アガリスクエンターテイメント)
伊藤圭太
榎並夕起
前田綾香(演劇ユニット トツゲキ倶楽部)
山岡三四郎(ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン)
矢吹ジャンプ(ファルスシアター)
山田健太郎
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
藤田慶輔(EFFECT)
■スタッフ■
脚本・演出:冨坂友
音楽:三濱徹也
プロデューサー:杉山純じ
制作:しむじゃっく
制作助手:佐伯凛果(アガリスクエンターテイメント)
■詳細・お問い合わせ■
特設ページ:http://symjack.agarisk.com
Eメール:produce@symjack.com
ちょっと長いですが、語ります。
●作品について
今回の作品は「ゲシュタポの男が、自分の素性を隠しながら、ユダヤ人の恋人を匿う」というシチュエーションコメディです。
個人的にはログライン(一行あらすじ)としては今までで一番強力なものになってると思います。どういう構造かわかるし、どういう葛藤かわかるし、なにより引きがある(よね?)。
そして、これは「AとBの両方に隠し事をする」という構造です。つまりは「妻と浮気相手が鉢合わせするのを防ごうとする」っていう100万回聞いたネタとも共通しているわけです。
“主人公が嘘に嘘を重ね、ピンチや誤解がどんどん大きくなっていく…”という典型的なシチュエーションコメディの形式を使って、ホロコーストを描きますよ、ってことです。
21世紀の演劇シーンの中では、ともすれば凡庸になりがちなシチュエーションコメディというジャンルを、「ホロコースト」という最も笑えない題材と絡めて描くことで新鮮で笑える表現にアップデートしようと思います。
そして、ホロコーストという題材に対しても、ベタなシチュエーションコメディの構造で切り取ることで、新たな視点を提供したいと思います。
強烈に笑える構造と究極に笑えない状況を行き来するブラックなコメディにグラグラと揺られながら、人種差別・移民・難民といった現代日本でも他人事ではない諸問題を考えていけたらと思っています。皆さんと一緒に、爆笑に沸く劇場で。
ちなみに、この「笑えない状況を、笑える構造で描く」というのは、ちょっと前のアガリスクエンターテイメントの代表的な作風でした。
紅白旗合戦もある程度はそうですが、ナイゲンの2012年版をやる前の作品群に顕著ですね。『無縁バター』『ファミリーコンフューザー』『静かに殺したい』などなど。そして、なにより一番近いのは『大空襲イヴ』です。
『大空襲イヴ』は、東京大空襲前日の東京下町を舞台に、戦争どころじゃない個人的な問題に振り回される人々を「嘘ついて、誤魔化す」というパターンのシチュエーションコメディにした作品でした。
震災一週間後の公演で、色々な対応をしながらの上演だったので「完全に作りきれなかった」という反省もありますが、それだけじゃなく作品自体としても反省点が沢山残っていました。
今回はそのリベンジでもあるのです。
そんでもって、オランダを舞台にゲシュタポと隠れ住むユダヤ人の話をやるってことは、海外モノなわけで。海外モノの、嘘ついて誤魔化すシチュエーションコメディ。つまりは黄金のコメディフェスティバル2015で上演した『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』とも通じてます。
あの時は『七人の語らい』パートで茶化した海外設定のベタなシチュエーションコメディを、今度は物語性でもって真っ向から正面突破してやろう、という企画でもあるのです。
まぁそんな色んな角度からの解説が出来る作品なんですが、それ以上に、書いててこんなに確信の持てる作品って無いですね。もうね、代表作になる気しかしないっす!
●興行形態について
「しむじゃっくPresents」。なかなか聞きなれないものが冠についていますね。聞きなれないも何も今回が初めてなんですが。要するに、「アガリスクエンターテイメント第○回公演」とは違うものが冠してあります。
ですが、外部への脚本提供でもなければ、俺とアガリスク役者が何人か関わるプロデュース公演でもありません。全力全開の本公演級のアガリスクエンターテイメント作品です。
Q:「オマケ的な感じの番外公演なんじゃないの?」
A:「違います。シアターKASSAI2週間のプチロングランです。えっと、興行規模で言うと『時をかける稽古場』よりデカくて、『紅白旗合戦』くらいのガツンとした公演です。」
Q:「いつもと違う、よそ行きな作品になるんじゃないの?」
A:「全然なりません。ってまぁ今回のあらすじの時点でそれはわかると思いますが。しむじゃっくからのオーダーは“収支の責任はとるから、面白いもんつくって”のみ(なんて男らしい)なので、本気で今一番面白いと思う作品を作ります。」
なので皆さん、安心して、超期待してお越し下さい。
ナイゲンのことなんて、俺が忘れさせてやるよ…
●しむじゃっくPresentsについて。杉山さんについて。
さて、この企画は、制作ユニット(兼劇団でもあるんですけど)の「しむじゃっく」からお声掛け頂いて始まりました。
しむじゃっくの杉山さんが、「せっかく制作請け負うのに、票券管理や当日運営だけやってるのもなー」ということで、自分がおススメできる団体に公演打たせてやるぜ!ということでアガリスクを選んでくれました。
曰く「制作ユニットがプロデュースを行うことで、運営で手一杯になっていはる劇団に創作に集中してもらう」とのこと。なにそのありがたすぎる話。
実際、この企画がなければアガリスクの演劇公演は2016年後半まで打てないところでした。それは、お金のこととか、劇場を抑えるタイミングとか、色々な運営の事情で。それが、このお声掛けのおかげで、長編の新作公演2週間ロングランなんていう機会に恵まれました。
いや、さ、なかなかできることじゃないっすよ?これ。自分が責任もって他団体に公演打たせる、って。しかも小劇場のなかではロングランの部類に入る2週間規模の興行のケツを持つ、って。
しむじゃっくは、大きなプロダクションでもなければ法人でもありません。代表の杉山さんもいわゆるフリーランスの“小劇場の制作さん”です。そこが、志の高さと意欲だけでこんな企画に打って出るってすごいことだと思います。ぶっちゃけ今回アガリスクエンターテイメントは金銭的なリスク負ってないですからね。
杉山さん、大冒険すぎるよ。でも超ありがとう。
だからこそ、絶対にコケるわけにはいかないな、とも思います。
そして、作ってく中で、単純に超観てほしい作品になりつつあります。まだ執筆も残ってますし稽古も始まっていないので、皮算用もいいとこですが、「ちょっとこれは次の代表作できちゃうんじゃないか?」という期待が膨らむのを抑えられません。
明日3/19(土)午前 10:00、ご予約開始です。
皆様のご予約、ご来場、心よりお待ちしております。
『わが家の最終的解決』公演特設ページ
『わが家の最終的解決』予約フォーム