【映像が】エクストリーム・シチュエーションコメディ【できた】

先日、新宿コントレックスVol.5で上演した、『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組』の映像が出来上がったのでYouTubeにアップしました。
エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組
撮影・編集を手がけていただいた、シガラキの細居さん、誠にありがとうございます!
このネタは、アガリスクのやってるコントシリーズ「AC~アガリスクコント~」の中でも今のところ一番の傑作だと思うんですが、それ以上に、今までのアガリスクがシチュエーションコメディと向き合ってきた歴史や葛藤、そこに対する一つの回答を22分に圧縮したものだという自負があります。
どうせだから最初から語りましょう。
長いのですが、ご興味ある方はお読みください。無い方は動画だけご覧ください。


アガリスクエンターテイメントは「シチュエーションコメディ」と言われるジャンルのコメディをやってきました。
これがどういうものかというと、
●とんでもない状況下に置かれた普通の人が、
●本人は大真面目なのに、とんでもないことをせざるを得なくなる、
●その可笑しさでもって観客を笑わせるコメディ
としておきましょうか(ここらへん定義があるような無いような、面倒くさいんですよね)。
そもそも、自分がそれを「オリジナルで作ってみたい」と思ったことがアガリスクエンターテイメントの発端なわけです。
そのキッカケ、いや憧れのもとになったのが、三谷幸喜氏の舞台『君となら』であり『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』でした。
これらは、“とある嘘を隠したい主人公が、周りに対して嘘に嘘を重ねた結果、勘違いや混乱が起きていく…”という筋書きの一幕劇です。
どちらも、英国の喜劇作家レイ=クーニー氏の作る、シチュエーションコメディの中でも「ファルス(笑劇)」と言われるドタバタした嘘や誤魔化しに特化した芝居を、日本に置き換えて書いたもののようです。
そうして自分は『君となら』『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』が好きで似たようなものを作り始めたものの、そのジャンルの不自由さ(セット作るのが大変)(人数そろえるのが大変)、不自然さ(展開上必要だけどそんな人間いるか?)などに疑問を持つようになり、遂には「そもそも笑わせ方として適しているのか」「このジャンルって面白いのか」にまで疑問を持つようになりました。
その結果、セットを建てなくても出来るシチュエーションコメディ(『みんなのへや』以降)や、役名を名札で表現しちゃうシチュエーションコメディ(『大空襲イヴ』や『ファミリーコンフューザー』)、主人公がモノローグをしたり物語世界を超えて喋りだすシチュエーションコメディ(『静かに殺したい』)を作る方向に流れていきます。
要は、シチュエーションコメディを、もっと自由で、手軽で、ベタじゃない、スマートなものにしたい、という実験が、アガリスクエンターテイメントの創作の歴史の片面でした(もう片面が物語とネタの共存)。
それらをギュギュッと凝縮して、シチュエーションコメディの嫌な部分(翻訳モノの演技のトーン)をからかったフォーマットに落とし込んだのが、このエクストリーム・シチュエーションコメディです。
2011年11月の新宿コントレックスにて初演(その際の感想はこちらこちら)、その後も『異性人/静かに殺したい』後のAC公演でも披露しましたが、撮影できなかったり出来がイマイチだったりでちゃんと残っていませんでした。
今回、今までで一番上手く上演出来たのと、細居さんがすばらしく撮影して下さるののタイミングが重なり、こういったカタチで残すことが出来ました。
これが、このジャンルに対するアガリスクエンターテイメントの回答です。
大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好き。
さて、日付が変わって明日は、シチュエーションコメディを上演する劇団の主宰が集まる、シチュエーションコメディ研究会(仮)、シチュエーションコメディ劇団サミット(仮)にいってきます。
どうやら最年少らしいから、生意気言ってくるぜ。

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