自信作の呪い

エクストリーム・シチュエーションコメディが呪い。
あれが自分達の理想すぎて、コメディタッチの会話劇も、ベタなシチュエーションコメディも、書けなくなっている。
ああいった、お話の要素がなく、実験的で、クレバーで、ものすごくチープな、作品の表面上に全くエモーションを感じられないような作品こそが、我々アガリスクエンターテイメントのやるべき表現なのではないか。
何をちょいハードめな話とか「微かな希望」とかを物語使って書いてるんだ、って思うことがある。また逆に表現手法の面でも、エクストリーム~をやった上で、今さらただの勘違い誤魔化し系シチュエーションコメディをやってどうする?とも思う。
ということで、『異性人』も『静かに殺したい』も、一筋縄では行かないものにしようと悪戦苦闘中です。
役者が面白かったりすると、ついつい普通の「お話」とか「シチュエーションコメディ」で満足しそうになっちまう。
そんなものは、20世紀に、どんだけオマケしてもゼロ年代に置いて来なきゃだ。
いや、違うか。年代じゃない。そんな旧態依然としたものは、アガリスクでは華麗にスルーしなきゃだ。
完成度とか、安心感とか、評判とか、興行とか、「考えなきゃいけないっぽいもの」は沢山あるらしいけど、自主でやってて、なにやってもいい主催公演で、自分達の一番最先端じゃない表現なんて何の価値があるというのだ。

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