アガリスクコーヒーでやる作品について私情

書かなきゃいけないもの、チェックしなきゃいけないデザイン、注文しなきゃいけない商品は山積しているのだけど、ブログを書く。
普段はなかなか書き始められないけれど、禁止されたときの甘美なことといったら。
いや、別に誰にも禁止はされていないのだけど。
アガリスクコーヒーについて。
その中の、自分の脚本・演出作品について。
タイトル発表してたっけ?まぁいいや、『シチュエーションコメディレクイエム』について。
さて、私は演劇を始めてから一番最初に憧れたのが、ヨーロッパ企画の上田誠氏でした。
三谷幸喜の数々の舞台作品が初期衝動ではあるのだけど、はじめからある種「別物」として考えていたので、明確に作家として憧れ的な感情を抱いたのは上田誠氏が初であり、劇団として憧れたのもヨーロッパ企画でした。
「お話」よりも「笑い」をやりたかった当時の自分としては、そのスタンスを明確化しようとするあまりお話の否定みたいな思想に傾いていき、上田氏の「人間ドラマは書けないけど面白いシステムなら書ける」といったロジック方面、システム方面、理系方面に憧れ、傾倒していきます。
理系なんかじゃ全然ないのに。数学なんて赤点ばっかだったのに。
そしてアガリスクの所属俳優が「登場人物を真っ当に演じる」のが苦手、という意識もあって、その設定をこねくり回す感じは加速していきます。
それと同時に、ヨーロッパ企画やシベリア少女鉄道、電動夏子安置システムへの憧れと嫉妬は強まっていきます。ヨーロッパはファンってのが先に立つし、電夏はお互いに作品を見せ合える関係なのでいいとして、特にそれが強いのがシベ少でした。これは自分が慕っている演劇関係者にシベ少のファンが多い、ってのも拍車をかけるのでしょうが。
しかし、そういった「“システム”憧れ」「“ロジック”憧れ」と裏腹に、自分達の作品で評価されたのは、一番「お話」っぽくて、一番湿っぽくて、一番自分のパーソナルなものを投影した『ナイゲン』でした。
そして他所からの評価だけならまだしも、書いている自分自身で一番しっくり来るのも『ナイゲン』でした。
ナイゲンも再演しますが、それ以降のやりたい芝居を考えても、自然と、物語的なテーマや自分のパーソナルな問題意識を反映した作品ばかりだったりします。
今後はそういった「お話」路線でのコメディばっかりやるようになるのかもしれません。
でも、やっぱりまだ、芝居の評判で「ロジック」とか「システム」とか「トリッキーな構成(っていう言い方も安っぽいけど)」と聞いたときに「なぬっ!?」となってしまう自分を発見しました。
今回、せっかく本公演とは別の尺で芝居を書く機会を得たので、そんな自分を供養する作品を作ってみようと思います。理系コメディ憧れが全開だったときの自分が一番喜びそうな芝居を作ってみようと思います。
とはいえ、ライバルがヨーロッパや電夏やシベ少かというと、いざ書いてたらそんな感じではなくなってきました。
ライバルは、ナイゲン以降のアガリスクでも代表作に残り続けるであろうロジック系短編、『エクストリーム・シチュエーションコメディ』です。
【エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越×塩原組】エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組
アガリスクコントでの『エクストリーム~』以外で、こういう路線の作品をやるのはもう無いかもしれません。そういう意味でも『シチュエーションコメディレクイエム』です。是非、ご覧くださいませ。
あ、シチュエーションコメディ自体は辞めませんけどね。
●公演概要●
『アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ』
【日時】
2013年6月29日(土)~30日(日),7月5日(金)~6日(土)
【会場】
新宿シアター・ミラクル
【タイムテーブル】
6/29(土)14:30/19:30
6/30(日)13:30/19:30
7/5(金)19:30
7/6(土)13:30/18:30
【料金】
予約券:¥2,000
当日券:¥2,500
初日割引:6/29(土)の14:30/19:30の回は500円引き
高校生割引:高校生以下のお客様は1,000円引き(要学生証提示)
【ご予約】
 こちら から
【作・演出】
冨坂友(アガリスクエンターテイメント)
宮本初(コーヒーカップオーケストラ)
【出演】
淺越岳人
鹿島ゆきこ
塩原俊之
沈ゆうこ(以上アガリスクエンターテイメント)
後藤慧
宮本初
モリサキミキ(以上コーヒーカップオーケストラ)
皮墓村(ゾンビジャパン)
信原久美子(コメディユニット磯川家)
細井寿代

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