『ナイゲン』おわりました

あっちこっちへ書いてて当ブログでのご報告が遅れました。
Aga-risk Entertainment第17回公演『ナイゲン』無事終了致しました。
ご来場下さったお客様、色々な形でご支援頂いた皆様、キャスト・スタッフの皆、誠にありがとうございました。
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さて、このブログでは、あんまり固まってないこと、ゲル状の思考も含めて、色々と突っ込んで書いていこうと思います。
普段はブログに写真なんてほとんど載せないんだけど(写真はケータイで撮るけど文章はPCで書きたいので、取り込んだりなんだりでへこたれてしまうのです)、今回は珍しく写真を沢山貼っていこうと思う。いや、そう思ってアップロードしすぎて、今度は選ぶのが面倒になってしまったのだけど。
とりあえず【出演者について】【台本について】【演出について】あたりで分けて書いていこうかしら。ただね、これ今からもう長くなる予感が満載ですよ。記事分けようかな。
ではまず【出演者について】。
【出演者について】
《ざっくりと》
今回は、“ネタ”ってより“お話”によることが予想されていたので、コメディに慣れている人ばかりで固めるつもりだった。結果「そこまで普段コメディやってないっすよ」な人もいたのだけど、大変理想的な座組みであったと思う。
稽古開始段階から座組みの仲が良すぎて「え、これ大丈夫?」「それと作品は別だよな~」と危惧していたのだけど、完全に杞憂だった。仲は良いのだけど、みんなキチンと自分の仕事(と、それ以上)をする役者だったので。
あと、個人の特性を生かしたキャスティングや台詞、ネタがキチンとハマっていたように思う。いわゆる“宛て書き”と言われる部分。「普段のそいつ」に似せる、とかじゃなくて、「集団の中での関係性やポジションを反映」って方面なんだけど。
まぁ、どんどん観念的な話になっていきそうだから、さっさと個人について言及していこう。劇中でのグループごとに。
あ、今回は役名が内容限定会議での役職名・団体名で、そいつら個人の名前は役者の名前にしました。団体名・個人名・それを演じてる役者の名前って、3種類も覚えるの大変だろうから。
《運営側》
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(左から)書記:金原並央,文化:鹿島ゆきこ,議長:甲田守,監査:木村ゆう子
●議長:甲田守[右]
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実はナイゲンを再演するときには議長役を彼に、とずっと思っていて、実際に一番最初にキャスティングした客演俳優。アガリスク最多出演で、ナイゲン初演こそ知らないものの、千葉時代から一緒に芝居してます。
わかってはいたけれど、決して器用ではない役者だし、作家的な目線や演出家的な目線は持ち合わせていない人。なので、ぶっちゃけると途中は「おいおいこいつ大丈夫なのかよマジで…」と大変焦ったのだけど、そうでした。毎回、どこかでスイッチが入ると途端に良くなる人でした。最後の方の頼もしさといったら無いし、共演者いわく「彼に真っ直ぐ見られるとなんかグッと来てしまう」とのことだったので、そういう意味でも劇中と同じく「最初、頼りない。最後、頼もしい」を地でいくような公演期間でした。
やっぱり、この議長は彼しか考えられない。
●監査:木村ゆう子[右]
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アガリスク客演4回目の女優。『大空襲イヴ』からなんでミラクルでやって以来ずっと一緒にやってます。高校時代にはお笑いの映像を家で一人で見てツッコミのスキルを磨きつつ学校では披露する場を持たなかった彼女も、今やコメディ系の芝居ばっかりに出る人に。見た目の真面目さと裏腹に、監査みたいなキチッとした話し方、思考、思想とは間逆な彼女は今回相当苦労したことでしょう。なんせ噛めないキャラだし。
真面目でカッチリした言い回しで笑いを取れるのは流石。欲を言うならあと出力がもっと欲しいところ。
●文化:鹿島ゆきこ(Aga-risk Entertainment)[中央]
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今回は劇団のメンバーとして八面六臂の活躍を見せてくれたというか、かなり負担をかけたんでお疲れ様、なんだけどそれはここでは割愛するとして。
普段(て言うかアガリスク入るまで)この人って「真面目」「クール」「ツンデレ」的な役を振られることが多かったみたいなんですが、やっぱりどう考えても「柄が悪い」「チャキチャキしてるバカ」の方が似合うんじゃないかと思ってて、今回は完全にそっちでのキャスティング。劇中で、参加団体から突然話を振られたときの「え?」って反応が空っぽすぎて、途中から面白くてしょうがなかった。「なんでこいつが運営してんだよw」であり「なんでそのくせ議長を馬鹿扱いしてんだよw」って。
あと、色気が無さすぎる格好させてごめん。
●書記:金原並央(害獣芝居)[左端]
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昨年夏に見た、コント集団神と仏の二連ちゃん(シアターグリーン学生芸術祭と新宿コントレックス)で「なんかくだらないことをちゃんと振りぬいてる面白い女優がいる!」と思って見てて、満を持してのオファー。そしたら意外にもコメディは普段やってないし、わりかしアングラ系・アート系の芝居にばっかり関わってた人。そして最寄り駅がアガリスク連中とご近所すぎてビビった。ま、それはいいとして。
さっぱりとした性格なのに女子力が高い、という素敵女子。しっかりしてるし、良い奴。そして相当高校生に見える。
「コメディ慣れてない」とかいうけど、こちらのオーダーにはサッと答えてくれる反射の良さ。スピードとか間とかにおいて自分の生理で演じすぎちゃう部分はあるんだけど、今回“ウケる体験”を得たことで、伝える・見せるスピードでの芝居も獲得したんじゃないかと勝手に思ってます。多分万能選手なんで、皆さん色んなところで彼女を呼んじゃいましょうよ。もちろん俺もまたご一緒したい。
《参加団体:1年生》
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(右から)Iは地球をすくう:さいとう篤史,3148:榎並夕起,おばか屋敷:長谷川一樹
●Iは地球をすくう:さいとう篤史
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彼も相当高校生に見える。国道五十八号戦線の解散公演でご一緒して、その真っ直ぐな感じの似合いっぷりでオファー。「彼が一生懸命になんか叫んでると軽く泣きそうになる」って思ったのだけど、今回は「彼が一生懸命になってる(キレてる)と笑えてくる」にするのが目標。で、そうなってくれた。
ちょっとしたダメ出しで一喜一憂するのがなんとも清々しい。コメディリリーフのつもりでもそんなにガチガチのコメディばかりやってきたわけでもないので、感情とか役の生理で動くタイプの役者なんだけど、実は演出の指示にちょい足ししてくるサジェスチョンが意外に的確で理性的。今回はコータさんやジャンプさんみたいな“ウケる身体”で喋るという課題に苦労したっぽいけど、でもやっぱり彼の場合はそういうのじゃなくひたすら真っ直ぐ、役の感情で叫んでる方が笑える気がする。役のモデルとなった人物「タナカ」を知ってる人から「似てる!」「タナカすぎ!」と絶賛(笑)
●3148:榎並夕起(TEAM JACKPOT)
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リアル女子高生だけど“外ヅラ大人、中身は子ども”。
最初にオーディションに応募してきたときとかは「うわ、すげーちゃんとしたメール送ってくるなー、大人顔負けだよ」と思ってたけど、稽古場を経て劇場入りした頃にはぬいぐるみ「ジャッキー」を介して話しかけるなどの奇行が目立ち始める。その外ヅラと中身のギャップというかバランスがガタガタなのがチャーミング。
芝居においては、「泣かされるから毎回泣いて」とフラッと注文したら、当たり前のように毎回ちゃんと涙を流したというからさすが。ただ「いじめられるシーンが楽しくなってきた」というのは大丈夫なのだろうか(笑)
本人も無意識らしいけど、劇場入りしてから観客の反応に合わせて芝居がコメディ寄りになってきたのは頼もしいところ。あと劇場入りしてから芝居全体が上手くなった(って俺が言って良いのかわかんないけど、目盛りが細かくなった)ような気がする。普通に美少女だしクソ真面目だからこそ、変な現場や演出家に引っかからないことを祈る。あ、ウチがそうじゃないって保証は無いけども。
●おばか屋敷:長谷川一樹(Torico Roll Cake)
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今回大活躍の長谷川君。多分、普段から演劇を沢山見る人にとっても知られていなかったんじゃないかと思うけど、アガリスク連中が彼のことが好きすぎてオファーし念願の出演。
「キモい」ってのを笑いに転化するタイプの人間は沢山いる中で、彼は瞬発力でキモいのではなく、コミュニケーションをとっていく中でじんわりと気持ち悪いタイプの面白さ。喋り出しから喋り終わりまでベタッとした発生と無駄に大きい声、過剰なリアクションなどの全体的な「うるせぇな」感が最高。
稽古中から「そんな役者みたいなことできませんよ」と言ったり、劇場入りしてから「僕は声が大きくて少し気持ち悪いだけの素人ですから」、千秋楽前の稽古で今さら「なるほど…これはまだまだ練習しないと出来ないですね」などの名言を残す。所属劇団ではエネルギーを発散させる芝居を禁じられてる(笑)らしいので、コメディとかやってる皆さん、是非長谷川君を呼んであげてください。って、ウチもまた絶対呼ぶ。
《参加団体:2年生》
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(右から)海のYeah!!:斉藤コータ,アイスクリースマス:淺越岳人,ハワイ庵:細井ひさよ
●海のYeah!!:斉藤コータ(コメディユニット磯川家)[手前]
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アガリスク客演4回目で、木村ゆう子と同じくミラクルに来てからずっとお世話になってる。
リアルコメディアン。早いタイプのコメディ、困っていくタイプの主人公を演じさせたら抜群。今回の作品がお話寄りになると思っていたので、すぐオファーした。
浮気がバレて票が雪崩れ込むところからトイレにいけなくなる件は彼の独壇場。言い方とか動きが全部コメディのそれになっているから、多分シリアスなのをやっててもそう見えちゃうんだろうけど、ネタとしてそんなに面白くないところでもキチンと笑いを取ってくれる。たまに見てるとこの人サイヤ人なんじゃないかな、と思う。
●アイスクリースマス:淺越岳人(Aga-risk Entertainment)[中央]
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唯一の初演出演者で、本物のナイゲン参加経験者。いつも文芸助手的に台本についてあれこれと注文してきたり相談に乗ってもらったりするんだけど、今回はかつてないほどに役者として参加。
序盤の、そんなに笑いを取るでもなく、会議のスリリングさを示すところ(a.k.a.3148いじめ)で活躍してもらった。あそこ、淺越が淺越っぽく喋ってるようで、実はガチガチに演出で定められてます。
見てくれた方も、あそこが好きなのかSっ気があるのか、「演るんならアイスクリースマスがやりたい」という方が多数。ちなみにあんないじめ方をしてたものの、本人はドMだそうです。
●ハワイ庵:細井ひさよ[左]
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前回『静かに殺したい』からの続投。不思議系・どうぶつの森系女優。
いろんな劇団で、能天気っぽい役を振られているので、ウチもそんなのでオファーしていいのだろうか、と一瞬迷ったけど、「やっぱ得意分野だよね」と一瞬しか迷わずオファーした。
話の展開上、不自然だけどどうしてもやらなきゃいけない・言わなきゃいけないことは、細井さんにまかせるとどうにかなる(不自然を以って不自然を制す)ことに気づかせてくれた。だけじゃなく、泣いている・喚いている様が笑える・マヌケに見えるってホントすごい。この人のぬいぐるみ感はどこまでいくのだろう。末恐ろしい。あと声が可愛い。「議長」と呼ぶときとか。
《参加団体:3年生》
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(左から)花鳥風月:矢吹ジャンプ,道祖神:信原久美子,どさまわり:塩原俊之
●花鳥風月:矢吹ジャンプ(ファルスシアター)
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座組み最年長。シチュエーションコメディ,特に海外ファルスといったら、のこの人。余命1時間の花嫁以来、何回もお世話になってます。今回は嘘ついて誤魔化して~みたいなファルス型シチュエーションコメディじゃなくて会話スタイルだし、お話寄りなんだけど、やはりコメディに慣れている人を!と言うことでオファー。もちろん上記のコメディが大得意な人なんだけど、それ以外の会話表現の絶妙なニュアンスもビシッと決めてくれる。海のYeah!!の浮気騒動直後の「もう何も覚えてないよねぇ」みたいな只の台詞で爆笑を取るあたり、もう「技だなぁ」と感心しきりですよ。
そしてこの『ナイゲン』って作品は、花鳥風月目線(どさまわりの言うこともわかってる・過去のあれこれは共有してるんだけど意見を異にする)で見ると一番グッとくるはずなので、そこを踏まえてジャンプさんの「…やりたいです。節電エコアクション、やらせてください」は感動。
「高校生に見えなさすぎ」「ラスト居酒屋かよ」みたいな野次が(主に身内から)ちらほら聞こえたけど、ラストシーンまわりの達観した感じはそれでいい気がする。高校の中での3年生ってそんなじゃん。
ってことで今回もお世話になりました。
●道祖神:信原久美子(コメディユニット磯川家)
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姉御。コメディエンヌ。しっかり者。委員長。良心。だけど緊張しいで本番前はいつも「お腹いたい」とか言ってる。
前から磯川家の公演で拝見してたんだけど、お誘いした決め手は、磯川ハウスの引越しを手伝いに行ったときに見た、ツッコミの千本ノック。片付けというテイでボケまくるまわりの男性陣に1から100までちゃんとツッコんでる姿を見て、「あ、この人だ」ってなった。実際、台詞には短いツッコミ台詞ばっかりになった。それまでにウケちゃってることもあったからそんなに目立たなかったかもしれないけど、後に信原さんが控えてる安心感てのがあるんですよお客さん!(バンバンッ!)
「アラサー」「アラサー」と自虐するわりに他人が触れると拗ねるところは面倒くさ…もとい可愛らしい。
登場人物内で明らかに一番ガラが悪い奴・道祖神の代表者を演じてもらったけど、素顔は超真面目でみんなに振り回される長女体質。本人曰く「一番嫌いなタイプの女子を演じた」とのこと。彼女が脱落者決めの投票で「…3148。」と言うところが、悪すぎて、モデルになった女子に似すぎてて、大変好きでした。
●どさまわり:塩原俊之(Aga-risk Entertainment)
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今回、アガリスク公演で初めてと言っていいくらい全然ネタに絡まなかった人。国府台原理主義者でテロリストで革命戦士で、もう、なんだ、言ってることは正しいのにクソ野郎すぎる役を演じた。
この登場人物自体、自分とか他の色んな国府台生の代弁者だったりして、語りだすとキリがないので、中の人にだけ言及しようかと。
本人はこういった「反対運動しよう」的な感覚は微塵も持ち合わせていなかったらしく、「自分じゃなさすぎる」「なんだこの危ない奴は」って印象だったらしい。でも台本を読んでいる中で「こいつは、言ってること自体は一番正しい。やり方はクソだけど」「『戦国自衛隊』の信長だ」と気づいてくれたのが嬉しかったし、そこからは早かった気がする。
毎回見てるはずの知人から「役者の塩原さんも素敵」と言われ、「今までは何だと思ってたんだ…?」と思ったらしいけど、でもホントそのぐらい、今回は役者役者してた。かれが終盤で訴えるところで泣けるかどうかが、それまでの盛り上がりのバロメータだったりもした。
コント欲が高まっていると思うので、次はハゲヅラでも被りましょう。
以上、12人のなんちゃらじゃなく、13人の刺客でした。誰が欠けても成立しない芝居だったし、お客様からも「誰が良かった」じゃなく「みんなが良かった」と言って頂くことが多かったのが、このキャスティングでありこの公演の成功の証左なんじゃないか。とも思います。皆さん、お疲れ様でした。
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台本とか演出とか全体の振り返りは次のエントリへつづく

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