さて、今年もあと数時間で終わりですね。
いつもに比べて激動だったアガリスクの活動を中心に今年を振り返ってみます。
【1月】
●劇王天下統一大会 東京予選
劇作家協会の短編演劇イベント「劇王」の全国大会の東京代表を決める予選に、我らの大好きな『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)浅越・塩原組』で出場。
本番前に塩原がまさかのインフルエンザでダウン、熱は下がったものの、完治の証明が本番までに間に合うかどうかの瀬戸際、という試合前の騒動で大わらわ。そういや前年夏に『時をかける稽古場』でインフルネタをやった直後に自分達が同じ目に見舞われるとは…。
蓋を開けたらなんとか間に合い、ブロック予選は一位で通過、審査員からも大好評。そういやそのテンションでラジオも録りましたね。
決勝では青春事情に負けて東京代表にはなれず。ケッ!
AC~アガリスクコント~『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組 劇王号』
【2月】
●『時をかける稽古場』の上映会
映像で見てもちゃんとウケたのが嬉しかった。やっぱこの作品面白いよなぁ。
【3月】
●『紅白旗合戦』
今までで一番大変な公演だったような気がする。で、作品というか企画の持つ射程の長さで言ったら今までの自作で最長だと思う。その分、まだまだ色々できることが沢山ある公演でしたね。
とはいえ、OPの演出がとんでもなく好評だったり、これを機にアガリスクを見てくれるようになったお客さんが沢山いらっしゃったりと、収穫も沢山あった公演。
これの千秋楽で『ナイゲン(全国版)』の発表しましたね。
【5月】
●新宿コントレックスVol.13
アガリスクのメンバー4人コントの決定版『P3/4』を初演。
当初は黄金のコメディフェスティバル2015に生かせるような、それのプロトタイプみたいな短編を作るつもりが、全然逸れてまたもや一人脱落コメディを作ってしまった。
でも結構気に入っている作品。一番最後のところのランダムっぷりとか。
AC~アガリスクコント~『P3/4』
【6月】
●ナイゲン上映会~Road to Shinjuku FACE~
ナイゲン(全国版)の上映会をしつつ、東京公演新宿FACEのチケット販売開始。
いやぁ、大変だった指定席販売はここからか。
【7月】
●新宿コントレックスVol.14(アガリスクだらけのコントレックス)
いつかやりたいね~と言ってた、アガリスクメンバーのみの単独のコントライブが、コントレックスの参加団体が集まらないという不慮の事故でいきなり実現。
大変だったけど(そしてネタ一つ一つの精度という意味じゃ疑問は残らなくはないけど)とても楽しかった。
それにしても、コメフェスの一か月前によくこんなことやれたよなぁ。
●天てれの脚本書いてました。
Let’s天才てれびくんの福井県の回。
【8月】
●黄金のコメディフェスティバル2015『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』
昨年二位で涙をのんだコメフェスで念願のグランプリを獲得。あと最優秀脚本賞とか観客賞とか高校生審査員賞とか。
いやぁ、嬉しかった。特に、この作品で獲れたのが本当に感慨深い。いわゆる「シチュエーションコメディ」を疑うこと、それでもなおシチュエーションコメディであること、これこそアガリスクのスタンスだよねー、というか。自分で言っちゃったけど。人気とか、作品の持つ迫力とかで言ったら他にも自信作はあるけれど、もし仮に「アガリスクエンターテイメント」って名をつけるならこの作品かな、と思う。
【9月】
●コメフェスの作品がBS日テレで放映
↑の黄金のコメディフェスティバル2015グランプリ作品をBS日テレで放映されたよ!皆で見たよ!の巻。
●鴻陵祭に行った
『ナイゲン(全国版)』のメンバーで、モデルとなった国府台高校の文化祭「鴻陵祭」に行った。
【10月】
●『ナイゲン(全国版)』東京試演会(にしすがも創造舎)
にしすがも創造舎で稽古して、そのまま10/3と10/4に東京試演会。つまり、公演じゃないけど、事実上の「教室公演」。しかも演目は「ナイゲン」。高校時代に教室でのクラス演劇で演劇を始めた自分としては、感慨深すぎてエモーション爆発するんじゃないかと思ってたけど、意外と演劇づくりに必死になってそのまま終わりました。
ただ、上演成果としては最高でしたね。只の教室なわけで、外の音も外の光も入るわけで、昼間のうちに開演した公演が、最後の最後に議長が電気を消すと窓の外が夜になっている光景はちょっと鳥肌モノでした。
●『ナイゲン(全国版)』京都公演(元・立誠小学校音楽室)
東京試演会が終わってすぐ、夜行バスで京都入り。そのときはまだ京都公演の予約数もちょっと不安なくらいの数字だったのだけど、上演したらすぐに口コミで予約が増えて、最後の二日間は完売→増席→それも完売になるという有り難さ。会場だけでなく、京都の土地そのものとも合っていたのかもしれないですね。
いや、ホント、京都公演に関しては楽しいことしかなかった。銀行のキャッシュカードが磁気不良で死んだ以外は。
●天てれの脚本書いてました
12月に放送した岡山県の回。普段は一人ずつしか出ない千鳥がお二人揃って出演ってことで友情物語に。
【11月】
●『ナイゲン(全国版)』東京公演
お祭りでしたね。そんでもってイベントとしてワーッてなっただけじゃなく、演劇作品として一番面白いナイゲンになったという自信があります。
30席のにしすがも創造舎、60席の元・立誠小学校から、400席の新宿FACEへ。立ち位置だけでなく細かなニュアンスを整理して臨んだからか、意外と「空間が広すぎてスカスカ感がなかった」という評価が多かったし。
やっぱり演劇公演ってのは祭だよ。大きいところでやらなきゃいけないってわけじゃなくて、「小さい会場でも大きい会場でも、演劇は本質的に祭である」ってことを、大きい会場でやったことで認識した、というか。
作品について語ったら無限になりそうなので、語りきれないので、ここでは書かないですが。
お疲れ様っす、ナイゲン。
【12月】
●アガリスクの新展開の準備
会議したり写真撮ったり、企画書作ったり、準備ばっかりしてました。で、明日の昼に色々発表しますね。
■総評■
なんか、常に本番直前みたいなマインドで過ごした一年でした。ずっと劇団やってた、というか。
『ナイゲン(全国版)』という大きな目標をファンの方々と共有して、作品を上演する/観るという関係を結びながら、一緒に走ってきたような感覚です。大変お世話になりました。ありがとうございました。
で、やっぱりそうじゃないとですよね。それが劇団の、芸能の、醍醐味ですよね。
『紅白旗合戦』が終わったときに「新作書くのは当分いいや…コメフェス2015後はだいぶ書かないかも…」と思ったり、『ナイゲン(全国版)』やってる時に「次の公演まではちょっと空くかも…」と思ってましたけど、全然そんなことなくなってきました。上記の「新展開」です。
公演と公演が繋がってて全力で駆け抜けてきた2015年でしたが、来年も意外とそんな感じになりそうな予感です。
思いのほか勢いが落ちない2016年のアガリスクをどうぞよろしくお願いします。
カテゴリー: 日記
『ナイゲン(全国版)』東京公演という大勝負
さて、ここやここにも書いた通り、『ナイゲン(全国版)』東京試演会(にしすがも創造舎)・京都公演(元・立誠小学校)が終わりました。
しかし、まだまだ勝負が残っています。
今回の公演史上、いや『ナイゲン』史上、いやアガリスクエンターテイメント史上最大の大勝負、新宿FACEでの東京公演です。
ナイゲン(全国版)のツアーファイナルにして、決戦の地、新宿FACE。
演劇界隈の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、プロレスやライブなどで使われるイベントホールで、キャパシティは400~500人!
単純な客席数で言うなら、本多劇場より多いです。紀伊國屋ホールとかパルコ劇場とかの規模です。おいおい、どうすんだアガリスク。
何度も再演してきて、おかげさまでご好評頂いてきて、劇団代表作となった『ナイゲン』という芝居を卒業するにあたり、悔いの残らないような、思い切った場所を選んでみました。
もちろん、劇場のサイズが・席数が大きけりゃすごい、なんてことは無いです。にしすがも創造舎とか、元・立誠小学校とか、シアターミラクルとか、それぞれ素晴らしい会場でした。
でも「何百人ものお客さんが、グルっと囲んで会議を見守る」というナイゲンを、いつかしたいと思っていました。
そして、これを逃したらその機会はもう無いと思いました
なので、劇団として、めちゃくちゃ大博打を打ちました。
しかも、初めての旅公演と一緒にやっちゃったもんだから、まぁ大変ですこと。
アガリスクの存亡は、マジでこの東京公演にかかっているのです。
皆様、そこんとこよろしくお願いします!(笑)
で、まぁそんな「存続がかかってるから来て!」なんて脅しみたいな(脅しにもならんよ、「知らんがな」って人も沢山いるだろうし)理由だけじゃなく、本当に観てほしい作品です。
千葉県の片隅にある高校の、文化祭の準備のための、クラスの代表者たちしか出ない会議を舞台に選んだ物語です。どんだけニッチなんだ。
そして俺個人の“国府台高校らしさ”に固執して、卒業してからようやく気付けた自分なりの国府台高校論をテーマにしてます。どんだけパーソナルなんだ。
でも、それを頑張ってコメディにして、出演者みんなが自分の個性を持ち寄って、お客様が色々な解釈をしてくれて、再演の度に何度も叩き直した結果、とても普遍的で、話し合いの根源的な意義をいていて、なによりとても笑える芝居になりました。
どこに出しても恥ずかしくない、僕の、っつーかアガリスクエンターテイメントの、っつーか現代日本シチュエーションコメディの、代表作になったと自負しています。
今後ずっと上演されていって欲しい作品ですが、劇団でやるのはおそらく最後です。
どうぞ、この機会に観てください。本当に、よろしくお願いします。
~前売り券(事前精算)についての切実なお願い~
一度にお迎えするお客様の人数が大変多く、受付の混雑が予想されるため、前売券(事前精算)を強く推奨しております。
その為、ご予約方法が複雑だったり、登録が必要だったりとお手数をかけることにもなりますが、どうぞご協力を宜しくお願いします。
もしわからなかったら、メール、電話、Twitter、facebook、LINEなどなど、どの手段でも結構です、冨坂までご覧楽くださいませ。
ご都合が合えばチケットを持ってお渡しに伺います。
アガリスクエンターテイメント十周年記念興行・第21回公演
『ナイゲン(全国版)』
東京公演:11月13日(金)~11月14日(土)@新宿FACE
脚本・演出:冨坂友
【概要】
傑作青春群像会議コメディ、最後の再演&ツアー公演決行!!
屁理屈シチュエーションコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントが2006年に初演し、2012年、2013年と再演を重ねてきた、劇団代表作の青春群像会議コメディ『ナイゲン』。
数多くの団体によって上演され、早くも「会議劇の新たなクラシック」との呼び声も高い本作を引っさげて、初のツアー公演を決行!
“学校の教室でナイゲンを観る”東京試演会(都内某所・近日発表)と京都公演(元・立誠小学校)、そして収容人数500人のイベントホールでの東京公演(新宿FACE)まで駆け抜ける、アガリスク初のツアー公演にして、最後のナイゲン再演興行!
■東京公演(新宿FACE)■
【日程】
2015年11月13日(金)~14日(土)
11/13(金)19:00
11/14(土)13:00/18:00
【会場】
新宿FACE
【料金】
座席表はこちら
S席(指定席):前売(事前精算)3,800円
A席(指定席):前売(事前精算)3,300円
B席(自由席):前売(事前精算)2,800円/予約(当日精算)3,300円
※会場にて別途ドリンク代500円がかかります。ご了承くださいませ。
【割引】
●貧民割引…500円引き
当日受付にて「貧民です」とご申告した方は500円キャッシュバック!
S席・A席・B席とも、前売(事前精算)でご購入のお客様が対象。
●リピーター割引:1,000円割引
本公演に一度ご来場頂いたリピーターのお客様は1,000円割引します(要半券提示)。
【ご予約方法】
●WEBでの前売券(事前精算)のご予約方法
・以下のサイトからお席をお選びください。
S席/A席(指定席)はこちら→ http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=29835&
B席(自由席)はこちら→ http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=29908&
・発行されたお支払番号を持って、全国のセブンイレブンでお支払いと発券をお願いします。
●メールでの前売券(事前精算)のご予約方法
・以下の項目を明記のうえ、または冨坂まで、メールにてお申し込みください。
①お名前
②お電話番号
③日時(例:11月14日13時の回 など)
④お席の種類(例:A席 など)
⑤S席・A席の場合はブロック(例:南 など)
⑥「この出演者から買いたい」というご希望※誰々扱い(あれば)
・発行したお支払番号をお送りします。全国のセブンイレブンでお支払いと発券をお願いします。
●電話での前売券(事前精算)のご予約方法
・以下のフリーダイヤルにおかけの上、オペレーターにご希望の日時・席種・座席のブロックをご指定下さい。
・カンフェティチケットセンター 0120-240-540(受付時間 平日 10:00~18:00)
・発行されたお支払番号を持って、全国のセブンイレブンでお支払いと発券をお願いします。
●WEBでの予約券(当日精算)※B席のみ のご予約方法
・以下のサイトにご入力ください。
予約フォーム→ https://www.quartet-online.net/ticket/agarisk21?om=cajfbfi
・お支払いと発券は当日の受付で行います。受付でご予約のお名前を仰ってください。
■作品について■
【あらすじ】
“自主自律”を旨とし、かつては生徒による自治を誇っていたが、今やそんな伝統も失われつつある普通の県立高校、国府台高校。
ある夏の日、唯一残った伝統にして、やたら長いだけの文化祭の為の会議“ナイゲン”は、惰性のままにその日程を終わろうとしていた。
しかし、終了間際に一つの報せが飛び込む。
「今年は、1クラスだけ、文化祭での発表が出来なくなります」
それを機に会議は性格を変え始める。
――どこのクラスを落とすのか。
かくして、会議に不慣れな高校生達の泥仕合がはじまった…!
【ナイゲンとは】
屁理屈シチュエーションコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントが上演する、高校の文化祭の代表者会議を舞台にした会議コメディ。
メンバーの母校でもある千葉県立国府台高校に実在する会議をモデルにしている。
会議に不慣れな高校生が文化祭の発表内容について話し合い、1クラスを落選審査する泥仕合をコメディとして描きつつ、「自治」「話し合い」の意義を問う青春群像劇。
【キャスト】
淺越岳人
塩原俊之
鹿島ゆきこ
沈ゆうこ(以上アガリスクエンターテイメント)
榎並夕起
金原並央
甲田守
さいとう篤史
津和野諒
古屋敷悠(MU/ECHOES)
細井寿代
信原久美子(コメディユニット磯川家)
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
【詳細・お問い合わせ】
ナイゲン(全国版)特設ページ→http://naigen2015.agarisk.com/
Eメール→
電話(各会場の公演期間中のみ)→070-6985-6433
小劇場には向かないお芝居
ベタで一直線なシチュエーションコメディほど、小劇場演劇には似合わないのではないか?と思う夜。
舞台セットとか劇場のサイズにお金かかるって面だけじゃなくて、笑いの量って意味でも、出演者と観客が身近じゃない方がウケるんじゃないかと思う。「芸能人と一般客」になった方がウケる作風なのでは?
そもそも、人気・実力のある有名キャストと、お金をもってる紳士淑女が、(言い方悪いけど)「余剰の技術と余剰のお金を提供しあってつくる嗜み」なのでは?とか。
現代日本においてシチュエーションコメディってのは、無名の若者がやる「何が起こるかわからないぞ…!」って芝居を、同じく若者が千円札1,2枚握りしめて見に行くようなものじゃないんだよな。
そんなことを、ギリ小劇場の範囲だけど、人気俳優が出てる、それでいて脚本はどっかで見た作品のサンプリングのようなシチュエーションコメディを見て考える。
いや、大事なんだよ?あんまり演劇観ない俳優ファン・声優ファンが初めて劇場にきたときに、ちゃんとドカンとウケるシチュエーションコメディを上演しておくのは。
そんな中で、どインディーで金も大したキャリアもない20代・30代の小劇場劇団がどうやってこのジャンルに勝ち目を見出していくか、ってことを考えなきゃだ。
コメフェスがYahooニュースに載りました&9/12(土)の放送!
先日の黄金のコメディフェスティバル2015の優勝の件が、Yahooニュースに載りました!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150908-00000018-minkei-l13
念願の優勝で嬉しかったのと、超気に入った作品で獲ったのが嬉しかったのとありますが、こうして劇団の名前が広く知られるのも嬉しいです。
それにしてもこの真ん中の賞状持ってる主宰、ドヤ顔すぎるでしょ。俺こいつ嫌いだわー。
そして、グランプリ作品『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』が9/12(土)24:00~25:00(9/13の0:00~)にBS日テレにて放送されます!
演劇をやっている人がテレビに関わる機会、で言うと、作家がテレビのシナリオを書くことはあります。役者が個人でテレビの作品に出演することもあります。
しかし、劇団単位でテレビに取り上げられることは稀です。
そして、劇団の作品がそのままテレビで放映されることなど、なかなかありません。
そんな得難い機会に放送されるのが『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』という、最もコアで、最もニッチで、最も自分達らしい作品だというのもなんだか感慨深いです。
海外風のシチュエーションコメディをやりつつ、シチュエーションコメディを論じる、変則的なシチュエーションコメディ。
自分達がコメディを作っている上で感じた疑問やら不満やら怒りやらを結晶化した、「誰得!?」な45分ですが、今までで一番密度高く笑いをとった45分でもあります。
さて、お茶の間のテレビで見るとどう映るのか…?
ぜひ皆様もご家庭でご覧くださいませ!
ちなみに作品のイメージビジュアルはこちら→http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage51650_1.jpg
皆様に頂いた感想をまとめたのがこちら→http://togetter.com/li/865417
です。
なお、当日放映直前か直後に、『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』の出演者による作品創作の裏話などの音源をアップします。
こちらも当日によろしければお聞きください。
http://radio.agarisk.com/
黄金のコメディフェスティバル2015終演しました。グランプリなど頂きました。
黄金のコメディフェスティバル2015は無事にその全日程を終了しました!
ご来場下さったお客様、気にしてくれていた皆様、1日3ステが何連続つづくんだ…という10日間を支えてくれたスタッフの皆さん、そして一緒に闘った5劇団、あと最後に一緒に作品を作ったアガリスクメンバーと客演のみんな、誠にありがとうございました。
また、コメフェスは賞レースでもあります。
8/30の千秋楽ぶっ通しスペシャルの終演後に行われた表彰式にて、個人で
・最優秀脚本賞
アガリスクエンターテイメントとして
・高校生審査員賞(高校生審査員による投票)
・観客賞(全3チームを観た観客による人気投票)
そして
・最優秀作品賞(グランプリ)
を受賞致しました。
最優秀脚本賞は、昨年に引き続き二年連続で頂きました。“シチュエーションコメディのおかしなところを批評しながら進むシチュエーションコメディ”という、だいぶニッチで、「なにその問題意識?」「誰得なの?」っていう、自分達しか悩んでないんじゃないか的な題材の脚本が賞を頂けてとても嬉しかったです。
表彰式でも言いましたが、この作品の中身の部分というか『ワイフ・ゴーズ・オン』での細かいセリフ回し・表現は、主演の矢吹ジャンプの肉体から出たものです。そして、『七人の語らい』部分でのシチュエーションコメディを斬る視点は、ずっと一緒にこのコメディの問題意識に突っ込み合ってきた淺越岳人、塩原俊之と一緒に培ったものです。
この全体のアイデアも、「典型的なシチュエーションコメディと会議のコメディをどうやって組み合わせよう」と悩んでた時に、淺越としゃべって出来たものです。理屈っぽさや捻くれた部分を共有できる限り、彼は最強の文芸助手だと思います、マジで。
高校生審査員賞は、観客としても作り手としても、演劇界の未来を担う高校生の評価を得られたことがとても嬉しかったです。表彰式では「劇団の賞味期限が延びたかな?」なんて冗談で言ってましたが、帰宅して、審査員のひとりのTwitterを見て背筋が伸びました。
@waiwaiminako
が、あったりしたらいいのになぁなん
て思ってたんです。
それが「コメディフェスティバル」なんじゃないのかなぁって。
そしたら、今年のアガリスク!!!最高でした
— 岩井美菜子 (@waiwaiminako)
2015, 8月 30
@yu_tomisaka
コメフェスだからこそ生きる作品だった
と思います!
演劇の価値が「生」である現代の演劇において一番大切な「今、この作品をつくる/見る必然性」を感じました。
素敵な作品をありがとうござちました!
— 岩井美菜子 (@waiwaiminako) 2015, 8月 30
なんて冷静で、的確な視点で、コメディを・コメディフェスティバルを捉えているんだ…
普段ナイゲンとか紅白旗合戦とか高校生の作品を作ってて「高校生の思考を舐めない」に気を付けているつもりの自分でしたが、それでもまだどこか甘く見ていた部分があったんじゃないかとハッとさせられました。そして賞を発表するまでそれを秘している審査員としてのプライドとかもすげえ。
観客賞は、ハッキリ言って意外でした。いや、もちろんウケていたので皆様の支持も頂けているかなぁーとは思っていたのですが、実際に投票をして頂けているとは思っていませんでした。
黄金のコメディフェスティバルは全3チームを見た観客に投票権が与えられます。そして観客投票は最優秀作品賞にも影響します。つまり、投票をするためには3チーム見なければならない。贔屓の劇団があるなら、そこを勝たせるために3チーム6劇団を見る、という考えになってもおかしくないです。というか、普通そうだと思います。
ぶっちゃけたところ、アガリスクエンターテイメントはそこまで投票権のあるお客様を呼んだ方ではありませんでした(勿論、通しで予約をしてくれた、応援してくれているお客様もいらっしゃって、それはとても感謝しているのですが)。なので、審査員とかに評価してもらったら、あとは観客投票を集める劇団から逃げきれるかが勝負だと思っていました。
しかし、観客賞を頂けた。これは、このフェスティバルの投票権を持っているお客様が、いかに公平で、いかにガチで、いかに「作品の面白さ」で投票をしていたか、ということだと思います。
お客様の、イベントを楽しむ姿勢に、審査員としての矜持には、尊敬すら覚えます。
そして、こんな性格の悪いコメディを楽しんでくださって、本当にありがとうございます。
その結果、最優秀作品賞(グランプリ)を頂くことが出来ました。悲願の優勝です。
昨年、「コメディを作るために旗上げて、コメディ専門でやってきた劇団」としてコメフェスに出場し、色々評価を頂きつつもグランプリには届きませんでした。表彰式の最後にテーマソング『すまいるだいなそー』を聞きながら泣きました。
今年のアガリスクの出演者は、全員が昨年のその思いを共有しているメンバーです。劇団員とか客演とか関係なく、出演者一人ひとりがリベンジの思いを抱いて参加していました。
僕自身としても勿論そうですが、出演者の皆と悲願達成の喜びを味わうことが出来たのがとても嬉しかったです。
そして今まで応援してくれた方々、いつも見に来てくれる方々、かつて一緒にやっていた仲間、そういった周りのみんなに喜んでもらえたことがとても嬉しいです。
最優秀作品賞を、審査員長の鈴木聡氏が発表する瞬間の映像です。
大喜びするアガリスクエンターテイメントに、「おめでとう!」と声をかける参加劇団の皆様 pic.twitter.com/dMLnKfuOiD
— 黄金のコメディフェスティバル(コメフェス (@come_fes) 2015, 8月 31
(↑後々「その泣きっぷりで劇団員じゃないんかい!」と突っ込まれる斉藤コータ、翻って「イェーイ」とか言ってる塩原俊之、順当に泣いている鹿島ゆきこ・沈ゆうこ、泣き崩れすぎてフレームインしていない淺越岳人)
そして、悲願の優勝を達成した作品が『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』という作品であることがとても嬉しく思います。
自分で言うのも野暮ですが、この作品の肝はメタ演劇であることだけでは無いと思ってます。
「演劇について言及する演劇」というものは沢山あります。舞台上の表現・いわゆる「演劇の嘘」について言及する笑いというのも過去に沢山あります。そんな中で『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』は、「シチュエーションコメディをやりながら、シチュエーションコメディを批評し、その結果 より難しくて、よりくだらない制約が出来ていく…。その中で無事に時間内に上演し切ることができるのか…?」という作品です。
つまり、最終的に「とある制約の中で目的を達成するために足掻く様を笑う」というシチュエーションコメディの構造に立ち返っています。そこが肝です。淺越もTwitterにポロっと書いていたけれど「シチュエーションコメディ・ゴーズ・オン」なんです。
そんな、自分達の表現、自分達のやってきたことについて「大嫌い 大嫌い 大嫌い 大好き」と叫ぶ作品を上演して、コメディのフェスティバルで優勝できた、ということにとても意味を感じています。
そして、こんな嫌味で偉そうな作品を作り、ありがたい賞まで頂いた以上、これからの活動が問われます。
一緒に闘った5団体、審査してくださった皆様、見て下さったお客様に恥じないように、自分たちの考えに真摯で、独自で、なおかつウケるコメディをつくっていきます。
今までの応援、誠にありがとうございました。これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。
そして、他の受賞した皆様も含めた受賞者一覧をば。
黄金のコメディフェスティバル2015
受賞者一覧
最優秀作品賞 アガリスクエンターテイメント
優勝作品賞 バンタムクラスステージ
最優秀脚本賞 冨坂友
優勝脚本賞 バブルムラマツ
最優秀演出賞 細川博司
優秀演出賞 バブルムラマツ
最優秀俳優 福地教光
優秀俳優
ガラかつとし CR岡本物語 すずきつかさ ボス村松
鈴木聡賞 Peachboys
西田シャトナー賞 野村浩二 すずきつかさ
手塚宏治賞 小川大悟 KYOKYO じぇーむす
日本コメディ協会賞 Peachboys
高校生審査員賞 アガリスクエンターテイメント
観客賞 アガリスクエンターテイメント
今年のコメディフェスティバルは、昨年以上に間違うことなきコメディのフェスティバルでした。
皆が自分の思うコメディをぶつけ合う思想戦でしたし、自分の思う「笑いと物語の関係性」を競っていたように思います。
そして、開会式・閉会式・会期中の交流まで含め、お客様だけでなく団体同士・スタッフ間にまで「人を笑わせること」「楽しませること」という大きな目的が途切れることなく流れているフェスティバルだったと思います。
西田シャトナー賞を受賞された、すずきつかささん、野村浩二さんをはじめ、盛り上げて下さった皆様、本当にありがとうございました。
千秋楽の翌日、最優秀作品の公開収録が行われました。
(↑チャンの「ヤッベ」の一言をやけに気に入り、そこに全力を注ぐプロフェッショナル達)
そう、最優秀作品の本編の放映を中心に、今回の黄金のコメディフェスティバル2015の模様がBS日テレにて放映されます。
演劇業界とテレビの関係でいえば、作家がテレビの仕事をする、役者がテレビの仕事をする、ということは沢山あります。
しかし、「劇団」が「作品」がテレビで放映されるというのはとても貴重なことです。
だいぶニッチな作品ですが、今年のコメディフェスティバルを、いやコメディ劇団を代表する身として、劇場に来ていないお客様にも楽しんで頂ければと思っております。
9/12(土)の深夜24:00~25:00(つまり9/13になった瞬間の0時ですね)から、BS日テレにて放送されます。
皆様、是非ご覧ください。BSが映らないという方は、知り合いの方に録画してもらってご覧ください。
そして気に入ってくださった方、はたまた言いたいことがある方は、是非BS日テレにその思いをお便りで届けて下さい。
皆様のご視聴と、その反響が、今後のコメフェスのテレビ放映、だけでなく演劇のテレビ放映という行為そのものにつながります。
宜しくお願いいたします。
■番組名■
黄金のコメディフェスティバル2015
■放送日時■
2015年9月12日(土)24:00~25:00[HD] ■番組概要■
小劇場から始まる、演劇界の若き力の挑戦…。新進気鋭の6つの劇団が新作コメディで競演し、<笑いと笑いと感動>をステージからお届けする激闘の10日間!
若き演劇人たちの良質な作品作りを応援するために、テレビと劇場がタッグを組んだイベントが「黄金のコメディフェスティバル」。第3回目となる今回も選りすぐりの6劇団が参戦!昨
年をさらに上回るハイレベルな戦いが繰り広げられること必至です!
各劇団の作品は、観客投票も含めたコンテスト形式で審査を行い、栄えあるグランプリ作品は、BS日テレでの放送でその笑いと感動を再現!番組では、グランプリ作品の他に、6劇団の
熱い10日間の模様も盛り込み、演劇界の熱気をそのままお届けいたします。
【あらすじ】
公演期間:2015年8月20日(木)~8月30日(日)
場所:シアター風姿花伝(新宿区中落合)
【出演者】
*参加団体/劇団 *50音順
・アガリスクエンターテイメント
・劇団鋼鉄村松
・スズキプロジェクト バージョンファイブ
・バンタムクラスステージ
・Peachboys
・モーレツカンパニー
『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』=アガリスクエンターテイメント
黄金のコメディフェスティバル2015、現在開催中です。
ご来場下さった皆様、誠にありがとうございます。
閉幕も近づきましたが、どうしてもまだまだ多くの方に観て頂きたいので、ちょっとここらで今回の作品についてお話を。
今回、『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』という作品を作りました。タイトルの途中に「/」とか入っていて「え、一本なの?二本なの?」とややこしい感じですが、一本の作品です。
これは、“典型的な海外シチュエーションコメディ(主人公が浮気とかお金とかで周りに嘘ついて、誤魔化して、その結果誤解が膨れ上がり、逆にどんどんピンチに陥っていく様を観察するような、そういったコメディです)”と、アガリスクが最近やっている“会議で理屈をこねて、多数決で何かを決めていくコメディ”を掛け合わせたコメディです。
掛け合わせたことにより話が全然進まなくなる様子を笑うコメディです。
なんでこんなヘンテコなコメディをわざわざ作ったのか、というと、自分達が10年間やってきた“シチュエーションコメディ”というものをもう一度信じる為です。
そもそも僕は、三谷幸喜氏の『君となら』や『バッドニュース・グッドタイミング』を見て、こういうものが自分でも作りたいと思って演劇を始めました。
と同時に、演劇の勉強もしないまま、演劇の環境もないなか、劇団を作って自作を上演し始めました。なぜなら、演劇をやりたいとか劇団をやりたいとかじゃなく、こういうコメディを作ることだけが目的だったから。
しかし、自分で作って上演したり、他劇団が上演しているシチュエーションコメディ(オリジナルのものも、海外の傑作シチュエーションコメディと言われるものも)を見るにつけ、だんだんと疑問が募っていきます。
「これは、演劇として、もっと言うと“人を笑わせる表現”として、本当に面白いのだろうか…?」と。
21世紀の演劇表現を見渡すと、もっと斬新な演出も、胸をえぐる物語も、見た人間の好奇心を刺激する設定も沢山生まれています。
翻って“人を笑わせる”という観点で他分野を観ると、最初の数秒から最後のオチまで人を笑わせ続ける漫才や、時に演劇よりも示唆に富んだコントもあります。
そんな中で、セットを組み、人物を大勢出し、長い上演時間をかけて、お話に沿ってしか人を笑わせられないこのジャンルは、果たして表現として優れているのだろうか。
そんなことを考えるようになりました。
しかし、どれだけ違うことを考えようとしても、僕たちの思考は、志向は、ここに向かってしまいます。
ついついお話の中で、手順を踏んでネタを展開させようとしてしまいます。
そして、積み重なった状況が生む“何をしても面白い”無敵時間を、笑わせた先にしか到達できない物語を知っています。
だから今日も、様々な疑問を、呆れを、疑いを屁理屈に乗せて、シチュエーションによる笑いを作ります。
大嫌い 大嫌い 大嫌い 大好き ah
ということで、“嘘ついて誤魔化す型シチュエーションコメディ”をやるために劇団を始めた我々が、このジャンルに引導を渡し、もう一度愛するための集大成です。
今回は、昨年準優勝だったコメフェスのリベンジであると同時に、かつて同じような視点で作ったもののコメディとして完成させられなかった『死チュエーションコメディ』のリベンジであり、同じような思想で作った代表的短編『エクストリーム・シチュエーションコメディ』のようやく出来た発展形です。
あと残りのステージは今日8/28(金)の16時、29(土)の13時、そして30(日)の全団体ぶっ通しの12時の3回。
そして、優勝したら公開収録の8/31(月)か。
いつまででもやってたい作品ではありますが、と同時に、コメディフェスティバルでやるからこそ意義のある作品だとも思っています。
アガリスクエンターテイメントを知っている方、シチュエーションコメディを知っている方、是非この作品は見て頂きたいです。
これが、アガリスクの、エンターテイメントです。
■公演詳細■
アガリスクエンターテイメント
黄金のコメディフェスティバル2015参加作品
『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』
●頂いた感想のまとめ→http://togetter.com/li/865417
●ご予約→https://ticket.corich.jp/apply/64153/006/
または何かしらの手段で冨坂までご連絡下さいませ。お席をご用意します!
●公演情報
【会場】
シアター風姿花伝(東京都新宿区中落合2-1-10)
【タイムテーブル】
2015年8月
~残り~
28日(金)13:00チョキ/16:00★パー/19:30グー
29日(土)13:00★パー/16:00グー/19:30チョキ
30日(日)12:00ぶっ通しスペシャル/20:00 授賞式
※受付開始は開演の45分前より。開場は開演の30分前より
※本公演は、6団体が3つのチームに別れ、2団体の45分間の作品を同時上演します。
※アガリスクエンターテイメントは★パーチームです。
【料金】
○一般
前売3,500円
当日3,800円
○高校生以下(要学生証)
前売2,500円
当日3,000円
○一日通し券
8,500円(3公演ある日)
○千穐楽ぶっ通しスペシャル
8,500円
【あらすじ】
”ーーー集められたのは七人の男女、決めるのは一つの評決。”
平和的な話し合いが、皆の私利私欲と謀略によって泥沼の戦場と化していく様を描く会議コメディ『七人の語らい』。
”二重結婚している男の妻同士が偶然鉢合わせ…!”
双方の家庭を守るため、二人の妻にその事実を隠そうと奔走する男の、嘘と誤解のシチュエーションコメディ『ワイフ・ゴーズ・オン』。
アガリスクエンターテイメントは、どちらをやるべきか迷っています。
…という二つの作品案を掲げるアガリスクがお送りする、「屁理屈シチュエーションコメディ」の真骨頂!
誰も見たことがないのに、何よりもアガリスクらしい。そして、どこよりもウケる作品。
そんな芝居を引っさげて、コメディの祭典に臨みます。
【出演者】
淺越岳人
鹿島ゆきこ
塩原俊之
沈ゆうこ
(以上アガリスクエンターテイメント)
津和野諒
矢吹ジャンプ(ファルスシアター)
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
【作品情報】
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=65033
◆全参加団体やチーム内訳など、黄金のコメディフェスティバル2015の詳しい情報については下記公式サイトをご参照ください。
http://come-fes.com/
コメフェスのアガリスク作品『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』について
アガリスクエンターテイメントは、今年も黄金のコメディフェスティバルに出場し、『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』という45分間の一本の(タイトル的にここがややこしいんですが)中編コメディを上演します。
ここ数年、アガリスクは”屁理屈シチュエーションコメディ劇団”と標榜してるわけですが、そのキャッチコピーってまさにこの作品のことを指してるんじゃないかってくらいだし、そのくらい自分達自身だし、そのくらい面白いんじゃないかと思って作っている作品です。
去年のコメフェス出場作品『出会わなければよかった二人』は、準グランプリを頂いたり、最優秀脚本賞頂いたり、劇団初見のお客様に気に入って頂いたりと、とても光栄でしたが、やはりどこかよそ行きで、「自分達の考え全部のせ」ではなかったという反省はあります。対して今作は、会議と屁理屈でシチュエーションコメディをアップデートする、本音の一本です。
端的に言うと「重婚している男の妻同士が鉢合わせ!男は秘密を隠しきれるのか?」というシチュエーションコメディと、コメディのあり方についての会議が絡み合って進む一本のコメディです。
旗揚げ当初からやっていた(というかこれを自分で作りたくて演劇始めた)“嘘ついて誤魔化す系シチュエーションコメディ”と、『ナイゲン』やら各種コントで最近のアガリスクが取り組んでいる“話し合って投票する会議コメディ”の化学反応!触媒は“屁理屈”!といった作品です。
ということで、よそ行きな良い感じの物語でもなければ、サービスの派手な演出もない、純度100%のアガリスクらしいコメディを作りました。
何故ならそれが一番笑えるものになるから。“コメディ”フェスティバルだしね。
奇妙かつ王道な、多分他のどこも作らないコメディを作りました。『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』是非ご覧くださいませ。
ご来場、心よりお待ちしております。
《公演詳細》
アガリスクエンターテイメント
黄金のコメディフェスティバル2015参加作品
『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』
【脚本・演出】
冨坂友
【あらすじ】
”ーーー集められたのは七人の男女、決めるのは一つの評決。”
平和的な話し合いが、皆の私利私欲と謀略によって泥沼の戦場と化していく様を描く会議コメディ『七人の語らい』。
”二重結婚している男の妻同士が偶然鉢合わせ…!”
双方の家庭を守るため、二人の妻にその事実を隠そうと奔走する男の、嘘と誤解のシチュエーションコメディ『ワイフ・ゴーズ・オン』。
アガリスクエンターテイメントは、どちらをやるべきか迷っています。
…という二つの作品案を掲げるアガリスクがお送りする、「屁理屈シチュエーションコメディ」の真骨頂!
誰も見たことがないのに、何よりもアガリスクらしい。そして、どこよりもウケる作品。
そんな芝居を引っさげて、コメディの祭典に臨みます。
【出演者】
淺越岳人
鹿島ゆきこ
塩原俊之
沈ゆうこ
(以上アガリスクエンターテイメント)
津和野諒
矢吹ジャンプ(ファルスシアター)
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
【作品情報】
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=65033
【会場】
シアター風姿花伝
(東京都新宿区中落合2-1-10)
【タイムテーブル】
※本公演は、6団体が3つのチームに別れ、2団体の45分間の作品を同時上演します。
アガリスクエンターテイメントは★パーチームです。
2015年8月
20日(木)19:30黄金の開会式
21日(金)19:30グー
22日(土)13:00チョキ/19:30★パー
23日(日)13:00★パー/16:00グー/19:30チョキ
24日(月)13:00グー/16:00チョキ/19:30★パー
25日(火)13:00チョキ/16:00★パー/19:30グー
26日(水)13:00★パー/16:00グー/19:30チョキ
27日(木)13:00グー/16:00チョキ/19:30★パー
28日(金)13:00チョキ/16:00★パー/19:30グー
29日(土)13:00★パー/16:00グー/19:30チョキ
30日(日)12:00ぶっ通しスペシャル/20:00 授賞式
※8/20,8/21には【パーチーム】の上演はありません。
※受付開始は開演の45分前より
※開場は開演の30分前より
【料金】
○一般
前売3,500円
当日3,800円
○高校生以下(要学生証)
前売2,500円
当日3,000円
○一日通し券
8,500円(3公演ある日)
○千穐楽ぶっ通しスペシャル
8,500円
※20時からの授賞式は入場無料です。
〇8/20「黄金の開会式」カンパ制
【チケット予約】
ご予約は下記URLよりお願いいたします。
https://ticket.corich.jp/apply/64153/006/
【公演に関するお問い合わせ】
黄金のコメディフェスティバル実行委員会
contact@come-fes.com
◆全参加団体やチーム内訳など、黄金のコメディフェスティバル2015の詳しい情報については下記公式サイトをご参照ください。
http://come-fes.com/
怒涛の七夕
最近は、7月1日に『ナイゲン(全国版)』のチケットが発売されました。
愛する母校・国府台高校の文化祭前の会議をモデルにした『ナイゲン』という会議コメディの、たぶん劇団では最後の再演で、初のツアー公演です。
特設ページが出来て、チケット予約の方法も書いてありますので、どうぞ覗いてみてください。
これに関しては後ほど詳しいことを書きますね。
あと、いつの間にか7/7がイベント目白押しな日になってきました。
アガリスクが複数の劇団や役者を公募して開催している「新宿コントレックス」というオムニバスのコントライブイベントがあるのですが、何の因果か、今回は出場団体が集まらなかったため、出場団体全部アガリスクで開催することになりました。
一応「新宿コントレックス」としてやりますが、実質は、初の単独コントライブ。
詳しい経緯とかは こちら をご覧ください。
最初は「さて、どうしよう」だったわけですが、途中からはもう初の単独コントライブとしてテンションあがってます。
演目は、
『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組』
出演:淺越岳人/塩原俊之
言わずと知れた(?)アガリスクの短編の代表作。先日の劇王天下統一大会・東京予選で決勝まで進み、海外シチュエーションコメディが嫌いな人まで唸らせた自慢の一品です。
ありがちな海外シチュエーションコメディの5人芝居を無理矢理2人で演じ分け、それによって元々のコメディとも別の階層でも笑わせる、メタ・シチュエーションコメディ。
エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組(2012.5.29 新宿コントレックスVol.5より)
上記の映像よりさらに進化した・劇王天下統一大会東京予選Ver.通称「劇王号」でお届けします。
『お父さんをください』
出演:淺越岳人/塩原俊之/沈ゆうこ
演劇の短編動画投稿企画「クォータースターコンテスト」に出品し、何本かに選ばれて取り上げられたりもした、密かな人気作。
娘と彼氏がお父さんに結婚の許しを願い出る、いわゆる「お嬢さんをください」ではなく、父親とその彼氏が娘に結婚の許しを願いでる、「お父さんをください」。同性婚とかのニュースが話題になる昨今を先取りし、というか同性婚どころじゃなくどんどんエスカレートするイレギュラーな愛の形で、色んなハードルを無化してしまう行き過ぎた展開の自慢の一品。
お父さんをください(2012.7.13 新宿コントレックスVol.6より)
先日のコントレックスでさいとう篤史率いるジョナサンズにカバーされた本作を、オリジナルのアガリスクが、女性キャストを鹿島ゆきこから沈ゆうこにかえての再演です。
『LiePhone4S』
出演:淺越岳人/塩原俊之/鹿島ゆきこ/沈ゆうこ
過去に、舞台セットを立てなくても嘘ついたり誤魔化したりするシチュエーションコメディはできるとわかっていましたが、今度は“場所の概念をなくして喋るだけで展開できないか?”ってことで電話のやりとりで進行する嘘つき合戦です。で、「電話で嘘つくといったら仮病で欠勤だよね!(←クズの発想)」と。「電話から始まるコメディ」は数ありますが、これは「電話で進行するコメディ」という世にも珍しい自慢の一品。
LiePhone4s(2014.4.1 新宿コントレックスVol.12より)
本作を『フォーン・ブース』に捧ぐ(嘘)。
『P3/4』
出演:淺越岳人/塩原俊之/鹿島ゆきこ/沈ゆうこ
ナイゲンやら揉めたい方程式やら、「一人脱落コメディ」が大好きなアガリスクがお送りする、最新の一人脱落屁理屈バトル。「4人の男女の前に3連のプッチンプリン」という絶対状況(?)での、議論と騙し合いと化かし合い。“屁理屈シチュエーションコメディ劇団”の面目躍如となる自慢の一品。
AC~アガリスクコント~『P3/4』
議論と牽制のし合いによる笑いの現行の最新作です。
以上の自信作四作でお届けします。順番は当日のお楽しみに。
ついでに、いつもは役者とかアイドルとかにお願いするMCもアガリスクエンターテイメント。舞台上にアガリスクエンターテイメントの人しか現れない、という、純度100%のアガリスクエンターテイメントコントライブです。
そういや、アガリスクエンターテイメントが新宿コントレックスというイベントを始めたのは、自分達が本公演以外でAC(アガリスクコント)という短編を創作して披露する場を作る為でした。
そして、アガリスクコントというシリーズを始めたのは、「劇団なら劇団員だけで作品を発表できなきゃな」という思いからでした。
昨今の小劇場演劇は、個人や少人数のユニットが沢山あって緩く連帯してる風潮があります。勿論、それが悪いとは思わないし、実際にウチも本公演で色んな客演の役者さんに助けられて公演を打っています。
でも、やっぱり劇団というものでレパートリーをもちたい、オリジナルのメンバーだけで作品を発表で来てこそ劇団なんじゃないか、という思いが強くあります。
そう考えて、新宿コントレックスをはじめ短編のコントを作るときには劇団メンバーだけで作っています。このメンバーが、この劇団が、このジャンルだから出来るコントを作ってきたつもりです。
そして新宿コントレックスという場を得ていくつかのコントを作ってくると、「劇団メンバーだけで、コントだけで公演が打ちたいな」という思いも芽生えてきます。
でも「こじんまりとして見えないかな…」「長編みたいな“お話”じゃなくても見に来てくれるのかな…」などと心配して、なかなか実行に移せずに来ました。
ところが、こんな形で劇団メンバー単独のコントライブの話が降って湧いてきました。
最初は「出場団体がいない…どうしよっか…」だったのですが、「もういっそ単独でやろっか」と腹を括ってからは、いっそ燃えてきました。
それぞれの作品は、よそのお笑いのライブでも、コメディの公演でも、ついでに言うとウチの本公演でもなかなか見ないタイプのコントばかりです。
新宿コントレックスでは主催者の権限でトリをつとめさせてもらっているのですが、毎回、興行のトリとしてしっかり盛り上げてフィニッシュを迎えてきた自信作ばかりです。
お笑い芸人みたいな素の面白さも、ひたすら役を生きる演技力も、どっちもそんなに自信のない我らが、知恵と閃きとK.U.F.U(工夫)でネタを作って観客を笑わせてきた、その研究発表です。
あとは客席にお客様がいらっしゃれば、最高の夜になる予感がしています。
平日の夜に1ステージという激レアで足を運びづらい日程かもしれませんが、伝説の一夜にしましょう。
ご来場、心よりお待ちしております。
■□■□■□■□■公演情報■□■□■□■□■
アガリスクエンターテイメントpresents
新宿コントレックスVol.14
【日時】
2015年7月7日(火)19:30開演
※開場は開演の30分前、受付開始は45分前です。
※上演時間は2時間弱を予定しております。
【会場】
新宿シアター・ミラクル
(JR新宿駅東口出口より徒歩約10分)
【料金】
前売・当日ともに1,800円
【チケット予約】
ご予約は こちら から
もしくは冨坂まで、メール、電話、Twitterなどなどでご連絡頂ければ幸いです。
【出場団体】
(出演順)
・アガリスクエンターテイメント
・アガリスクエンターテイメント
・アガリスクエンターテイメント
・アガリスクエンターテイメント
【MC】
アガリスクエンターテイメント
【お問い合わせ】
E-Mail:
WEBサイト:http://conterex.agarisk.com
あと、同じ7/7に、シナリオ書いた作品がはじめてTVでオンエアされます。
『怪獣酒場 カンパーイ!』という短編アニメーションのシナリオを描きました。ウルトラ怪獣たちが夜の酒場でクダをまく様を描いたFLASHアニメ風の短編アニメーションのコントです
小さい頃、僕は仮面ライダーよりもウルトラマン派でした。父親がたまにウルトラ怪獣のソフビを買ってきては家のどこかに置いておいてくれるのを楽しみにしていましたし、最初のウルトラマンから80までの全怪獣の載っている怪獣図鑑は、破れては補修してを繰り返すほど読みました。
そして、FLASHアニメーションのコントといえば、アガリスクエンターテイメントの初期に作っていた『その時歴史がウゴイタ?』です。ここで毎週のようにFLASH用のコントを書いては録る、修行のような日々がありました(まぁ最も大変なのは作画と編集をしてたピエールでしたが)。
TVなどの外部メディアでのシナリオの仕事をさせて頂くようになってから、はじめて作品としてO.Aされる番組が、ウルトラ怪獣のアニメーションのコントというのは、何やら運命的なものすら感じてしまいます。
企画の立ち上げのところから誘って頂き、最初の方の話のシナリオを担当させて頂きました。
残念ながら僕は上記のコントレックスの本番中のため、オンエアは見られないのですが、宜しければ皆さまはチェックしてみてください!
『怪獣酒場 カンパーイ!』
<放送・配信予定>
【TOKYO MX】2015年7月7日(火)~ 毎週火曜日21:55~22:00予定
【BS11】2015年7月9日(木)~ 毎週木曜日23:54~24:00予定
配信:バンダイチャンネルほか予定
<スタッフ>
監督:河崎 実(『地球防衛未亡人』『いかレスラー』『ヅラ刑事』『日本以外全部沈没』他)
脚本:河崎 実・中野 守・富坂 友 他
キャラクターデザイン:エラダレイジ・清水誠一郎(3D)
そんなこんなで、怒涛の7月を経て、8月の黄金のコメディフェスティバル(8/22~8/30@シアター風姿花伝)や10月11月の『ナイゲン(全国版)』につながっていきます。
夏から秋と色々あるので宣伝とかも沢山するけど、どうぞよろしくお願いします。
10年間と、半年間
さて、30歳になりました。
あーあ、そろそろ「期待の若手」とか言ってもらえないじゃん。
ま、若いころだってそんなに言われてはなかったんだけどさ。なんせあんまり期待されてなかったから。
まだまだ「大学卒業して2,3年活動して、最近小劇場のなかじゃちょっとは知られてきたんじゃない?」くらいのつもりでいたのですが、もっと全然時間経ってた。
30歳という節目の年なので、否が応にも10年間を振り返ってしまいますが、千葉県の片隅でアガリスクエンターテイメントを始めたのが20歳のときだったので、20代のこの10年間はまるまる演劇活動に、アガリスクに費やしてきたというわけですね。
おぉぉ、なんか…気が遠くなるな…。
でも、全然後悔はしてなくて、多分10年前に戻ったとしてもやっぱり劇団作ってコメディやると思います。
もっと早く東京に出るけどな。
ということで、さっくりと誕生日アピール兼アガリスク10周年アピールをしたところで本題です。
アガリスクエンターテイメントは劇団設立10周年を記念して、初の東西ツアー&大型ホール公演をします。
アガリスクエンターテイメント十周年記念興行・第21回公演『ナイゲン(全国版)』
10月に東京の元・学校の施設と京都の元・学校の施設で教室公演(ルーツが国府台の教室演劇だけにやたら燃えるものがある)をやったあと、11月に新宿の格闘技興行にも使われる400~500人規模のホールでフィニッシュする、今までで最大の公演をします。
で、もちろん関西圏も冒険なんだけど、いつもやってる新宿でも400~500人のキャパで何回か上演するというのがチャレンジすぎます。皆さん覚えておいてください、11.13(金)~11.14(土)の新宿FACEです。
少しでも皆さんのお力を借して頂きたい、そしていつもみたいに2週間やってて口コミで徐々に来てもらうなんてのが通用しないので、今のうちから11月まで是非覚えておいて頂きたい、と思ってます。
なので、これからジャスト半年間、ナイゲン(全国版)の特設ページの最新情報のコーナー(要はブログですね)を中心に更新していきます。ナイゲンという作品についての裏話や経緯、そしてこの興行についての色んな情報を。出来たら毎日。
よかったらこちらも覗いてみてください。
ナイゲン(全国版)特設ページ-最新情報
宜しくお願いします。
他にもナイゲンまでの間にご案内したいお知らせ事がたくさんあるので、それもまとめて次の記事かなんかで書きますね。
ナイゲンのツアーの話。
さて。先日、『ナイゲン(全国版)』でのツアー&新宿FACEでの大会の情報解禁をしたわけですが。
実はこの公演って完全に自主の興行です。
ツアーだけど別に京都の会場から呼ばれてるわけでもないし、演劇祭への参加でもありません。
東京は新宿FACEというデカい会場でやるけど何のセレクションで選ばれたもないし、ただデカい会場を借りただけです。
なんでそんな危なっかしい橋を渡るのかというと、ひとつには「だって誰も呼んでくれないんだもん」ってのがあるんですが、それと同時に「あの作品は今やらないと」っていう動機があります。そして「絶対の自信作だから」っていう後押しがあります。
最後にナイゲンをやった2013年版以降、『時かけ』をやって、コメフェスに出て、劇王に出て、『紅白旗合戦』をやってきましたが、それでも『ナイゲン』のクライマックスの熱量と、ラストシーンの一言一言への魂の乗りっぷりは、なかなか類を見ないと思ってます。
そして、それらの公演を経て自分の演劇力(えんげきちから)が上がったので、よりナイゲンの全体をスッキリと、劇的に、密度を高く見せられる気がしています。
つまり、「じゃあそれ最強の作品ができるじゃん」って気がしてます。バカみたいだけどね。
なので、要は是非見に来てください。ってことです。
今から手帳の11/13(金)、14(土)にマルつけといてください。
もし秋に京都でも行こうと思ってた、って方は10/8~10もね。
http://naigen2015.agarisk.com
東京試演会10/3(土)~4(日)@都内某所
京都公演10/8(木)~10(土)@京都某所
東京公演11/13(金)~14(土)@新宿FACE
その公演を迎えるために、ナイゲンの台本を一緒に鍛えてくれる文芸助手の方、募集してます。
ナイゲン(全国版)の文芸助手を募集します
あと、ナイゲンは今月、他のプロデュース公演でも上演されます
FPアドバンスプロデュース『ナイゲン』
アガリスクは、そんなナイゲンに続く道として、8月に黄金のコメディフェスティバル2015に出たり(去年のリベンジもあったりするよ)、上映会をやったり、新宿コントレックスを頻繁にやったりと(まずは5/24にVol.13)、果敢に(ホントこんなにやれるのかなぁ)攻めていきますので、どうぞ宜しくお願いします。