台本書きと不摂生と役づくり

『異性人/静かに殺したい』の台本書いてます。風邪ひいてます。PerfumeのJPNツアーでさいたまスーパーアリーナにいきます。
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台本書くとき、しかも物語の筋考えたり直しをするときじゃなくて、ネタやセリフを書くときって、ちょっと普通の状態じゃ書けなくて、不健康な食事と不摂生な生活をして「篭ってる感」に浸る必要があって、それプラス寝坊しないよう床で寝たら見事に風邪を引いて効率ガタ落ちで参ってます。もうアホかと。
でもこの「篭ってる感」に浸る、という作業について検証し直した結果、この心境こそが、役者のやる「役づくり」なのかなぁと思えてきた。
今まで、「『役づくり』ってなんだよ」「アーティスト様め」と思っていたのだけど、生活パターン変えて気分を変えるぐらい芸術家じゃなくても人間誰でもやるわ、と。何を偏見持ってたんだ俺、と気づけた。人間てそんなにデジタルじゃないよね、そりゃあ。

Vol.3をおえて(個人的感想)

アガリスクが他の団体集めてやってるコントイベント「新宿コントレックス」のVol.3が1/25に終わりまして。
今回はウチは開催だけで出なかったんだけど、舞監をやったので。
感想とか振り返りのうち、言いたい事だけを書く。別に書いてない反省とか感謝とか勉強とかもしてるからな、と。前置きはおいといて。
●養生はしっかりと。
「水使いたい」って聞いてたので劇場と相談してたんだけど、想定以上だったりもするもんで、自分達でも何とかできる準備はしとかなきゃ&一度は試すのが必要だった。
っていうかテクニカル面で、一度試せない案は却下しなきゃだ。
そして、最近デクスター=モーガンの仕事ぶりを見ているのに養生を怠るとは何事だ、と。あの短時間で、血を一滴も漏らさないように(人間の血って6リットルもあるのに)ビニールシートで養生し、手早く解体し、すぐ撤収する様とか、流石だよなー。デクスターさん舞監やったら超有能だと思う。あ、でも人に仕事振れないからダメか。
●熱量
「どの団体もネタも面白かったですー」と言いたいところだけど、残念ながら、個人的にそう思えなかったり、本番中ウケてなかった部分があったのは事実。
全ての団体の場当たりに立ち会った上で気づいたこと。面白い人たちとそうでない人たちの間で一番違うのは、熱量。
元来自分は、勢いや華などの「エネルギー量」に対してアイデアや工夫などの「策」で立ち向かって行きたい派なんだけど、でも最近気になるのは熱量。
単純な話、声量や、動きの勢い、リアクションの大きさなどの基準値が段違いだったりする。
多分、パッと見の「一般人」と「やってる人」の差って、こういった分解すると単純な値の積み重ね・相乗効果な気がする。
もちろん、あればいいって訳じゃないし、熱量じゃなく面白い表現ってのも確実にあるけど、シアター・ミラクルサイズの劇場で「か弱さ」を感じさせる立ち居振る舞いは、ネタの内容問わずちょっといかんな、と。自戒も込めて(というか今回自分ら出てないのに指摘すると、安全な所からの只の上から目線みたいになりそうでアレなんだけど、でも嘘で全員褒めてもしょうがねぇしな、とは思う)。
あと、ホントにすごい勢いがあれば、ある程度はどうにかなる 笑。
以前、TVの学生芸人発掘番組にアガリスクで出たときに、シティボーイズのきたろう氏に「理屈だな」って一蹴されたことがある。今にして思うと、あれは机の上で考えた事を声に出してやってるだけだったんだろう。舞台上にいる「人」が、客席にいる「人(多数)」に、「反応させる」という発想がなかった。その一件とも共通するところかもしれない。
そんな、舞台に関わる人として当たり前のことを、自らのネタを出さずにずっと立ち会ったことで、再確認した。
●劇場での稽古
あと、4団体のオムニバスで、しかも乗り打ち(劇場入りして当日に本番)してると、各団体の演出家の技量がモロに出る。「場当たり」といって、出演者と音響照明の技術スタッフとのすり合わせをするのだけど、一団体25分のネタを45分間で場当たりすると、演出家の現場力や座組みでのイメージの共有度が如実に出る。
上手い人はホントにサクサクと的確に進行していく。かつ、空気も悪くならない。
まぁ、コレに関しては、場当たりがスムーズなだけが面白い条件ではないし、グダグダなのに本番はすごいところも例外としてあるんだけど。
普通劇場入りしてからの稽古(場当たりや、終演後のダメ出しと返し稽古)って、他所の現場のを見ることはないんだけど、たまに見るとこれがものすごく勉強になる。舞台上の環境が整っていて、それでいて時間が無いので、ものすごく濃密な稽古時間になる。これは15分くらい見るだけで本当に勉強になってすげー楽しい。
●「アガリスクで出ない」について
出ない手は無い。
短くても、全員揃わなくても。
やっぱり、どこにでもすぐ出せるネタを作るべきだと思うし、同じネタを繰り返しながらも、パフォーマンスの中身と別のところ、もっと外側に物語性が付随してくるのが美しいと思うので、使いまわしでも繰り返しでも出なきゃだ。
アンケートでも「アガリスクが出なくて残念」って書いてくださった方もいるしね。
●そして
アガリスクが出演しないのに(しかも平日一日なのに)来てくれるファンのお客様もいる、ということ。ならば、出なくても運営の随所にアガリスクエンターテイメントのスピリットが垣間見えるものにしなくてはいけなかった。今回は、Vol.0、1、2で培ってきたものにただ乗っかって開催してしまったきらいがある。反省。
ファンの方がいるという喜びと、責任感。

【メモ】シチュエーションコメディにカメラワーク演出

【メモ・備忘録】
・シチュエーションコメディにカメラワークという概念を導入する
・舞台上の場所の定義からも自由になる。「舞台上のこの部分を、お話上のここと定める」ことからの解放。
・舞台に中心となるモノを定め、それを基準に据えて観客の視点を様々な方向にしたり、フォーカスしたり
・舞台上にグリッドのみ書く
・中止となるモノはテーマ的な中心のモチーフ?
・それってシチュエーションコメディに限定しなければ普通のことでは?
・それをやることで、喜劇の表現として、笑わせる為に有効か?
・元来は俯瞰で、神の目線で進行するものに、カメラワークという主観を持ち込む。それの作品的な意味はあるのか?

自信作の呪い

エクストリーム・シチュエーションコメディが呪い。
あれが自分達の理想すぎて、コメディタッチの会話劇も、ベタなシチュエーションコメディも、書けなくなっている。
ああいった、お話の要素がなく、実験的で、クレバーで、ものすごくチープな、作品の表面上に全くエモーションを感じられないような作品こそが、我々アガリスクエンターテイメントのやるべき表現なのではないか。
何をちょいハードめな話とか「微かな希望」とかを物語使って書いてるんだ、って思うことがある。また逆に表現手法の面でも、エクストリーム~をやった上で、今さらただの勘違い誤魔化し系シチュエーションコメディをやってどうする?とも思う。
ということで、『異性人』も『静かに殺したい』も、一筋縄では行かないものにしようと悪戦苦闘中です。
役者が面白かったりすると、ついつい普通の「お話」とか「シチュエーションコメディ」で満足しそうになっちまう。
そんなものは、20世紀に、どんだけオマケしてもゼロ年代に置いて来なきゃだ。
いや、違うか。年代じゃない。そんな旧態依然としたものは、アガリスクでは華麗にスルーしなきゃだ。
完成度とか、安心感とか、評判とか、興行とか、「考えなきゃいけないっぽいもの」は沢山あるらしいけど、自主でやってて、なにやってもいい主催公演で、自分達の一番最先端じゃない表現なんて何の価値があるというのだ。

デクスターづいている

最近、デクスターづいている。
数年前から評判を聞いていて、というかレンタルビデオ屋に行くたびに借りるリストに入っていたのだけど、海外TVドラマシリーズ(しかもシーズンいくつあるんだよ…)に尻込みして借りていなかったのだが、次回公演『異性人/静かに殺したい』の片方、『静かに~』が連続殺人犯主役のシチュエーションコメディということで、新年早々からエイヤっと借りて見始めています。
そして、まだ2週間なのにSeason3に突入している。見すぎ、俺。
夜勤から帰った朝10時ごろから朝食を食べながら(後述)二話ずつ観て寝てます。
「主人公の犯行がばれないかどうか」が常に底流に流れているので緊張感が持続する…とか、登場人物がみんな心の闇を抱えているところが現代アメリカの…とか既にいろんなところで評されている魅力もあるんだけど、個人的にすごく好きなのが、オープニング。
主人公デクスターが朝起きて、髭を剃り、肉を焼き、目玉焼きをつくり、果物を切り、糸楊枝を使い、靴紐を締め、出かける。
この一般的な朝の支度の様子が、血が出る・肉を切る・紐で締めるなどの要素を強調して明らかに殺人を思わせる描写で描かれていくんだけど、これの調理シーンが、ものすごく旨そうなのです。もうね、宮崎アニメの食べ物よりよっぽど食欲をそそります、俺は(って大丈夫なのかこの発言は)。
もうね、その“旨そうさ”に触発された結果、朝は食べない派だった自分がしっかりした朝食を摂るようになりました。
どうでもいいけど、トースト(オーブントースター)、ベーコンエッグ(フライパン)、コーヒー(インスタントじゃない)の3種類を、完全なジャストタイミングで同時に仕上げるのって結構スキル要るのね。凝った料理じゃないけど、タイミングを御するのこそ料理の難しさなんじゃないかと最近思う。
…と、話がそれた。このドラマの素敵なところは、シリーズが変わっても下手にオープニング曲や映像を変えないところかな、と。日本のTVドラマだと微妙なタイアップを取って、続編でも変わったりもある中、偉い。ファンはアレをみてアガるし、腹もすくんですよ!
ということで、TVドラマ見まくってるけど、もちろんそれを生かして台本も書いております、『静かに殺したい』。デクスターの複数シリーズ通した殺人鬼描写の深さ・殺人鬼リテラシーを考えると、企画当初の大雑把なエンディングには出来なくなってしまいそうで、話がどこへ行くのかわからなくなってきて怖いんだけど。
あと、もう一方の『異性人』はプレ稽古を2回ほどやって、つい先日俺が脚本提供した某作品を、本編と関係ないけどガチで作り上げてます。このネタ自体は上演しないけど、ぼんやりとエチュードとか雑談してプレ稽古を潰すよりはよっぽど身になってる。コレに関しては別エントリで後述。
そんな『異性人/静かに殺したい』です。 こちら
チケット絶賛発売中 こちら

あけましておめでとうございます2012

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年も色々我侭言ったり書いたりしてご迷惑おかけするかもしれませんが、アガリスク・冨坂ともによろしくお願いします。
さて、新年の抱負などを書こうと思いましたが、多分モリエンテスラジオでやるんじゃないか?いや、やることにしよう(勝手)と思うので、そっちに載せます。
あと、もう学校というものを卒業して久しいのに、未だに新年より新年度の方が区切りっぽい気がしちゃいます。しちゃいません?
これずっと思ってたんだけど、最近その理由に気づきまして。毎年なぜか3月中に公演を行うので、そしてそのために正月は大抵台本書いたり準備してるからなんじゃないか、っていう。
いつか、何も抱えずに遊んで正月を過ごしたい。
はい、次回公演の詳細が出ました。
台本書いてます。多分50分二本立てシリーズは当分やらないので、好き勝手やってやろうと思います。ACでやるべきことが見えた気がするから、本公演は祭にしなきゃだ。
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Aga-risk Entertainment第16回公演
「異性人/静かに殺したい」
2012.3.8(木)~3.12(月)
@新宿シアター・ミラクル(JR新宿駅東口より徒歩7分)
【日時(開演時刻)】
3/8(木) ★19:30
3/9(金) ★14:30/19:30
3/10(土)14:30/19:30
3/11(日)14:30/19:30
3/12(月)13:30/AC18:30
※ACはAC(アガリスクコント)を上演します。「異性人/静かに殺したい」の上演はありません。
※受付開始は開演の45分前、開場は30分前です。
※アフターイベント等もございます。詳しくは公演特設ページをご覧ください。
【概略】
アガリスクエンターテイメントの新作公演は、シリアルキラー(連続殺人犯)が何も知らない友人たちによって追い詰められていく『静かに殺したい』と、宇宙人と男の交流が周囲からゲイカップルに間違われていく『異性人』の中編喜劇二本立て。
ひねくれた設定をストレートな喜劇として描く、「異端」のシチュエーションコメディ。
【料金】
予約券:2000円/当日券:2500円
早得割引:★の回は予約券1500円、当日券2000円になります。
AC:ACの回は予約券500円、当日券800円になります。
その他「貧民割引」及び「高校生割引」あり。
詳しくはティザーページを参照して下さい。
【キャスト】
淺越岳人
鹿島ゆきこ
塩原俊之(以上Aga-risk Entertainment)
江本和広(ヨコスカトイポップ)
如月せいいちろー(ウラダイコク)
木村ゆう子(帝京大学ヴィクセンズシアター)
甲田守
後藤慧(コーヒーカップオーケストラ)
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
菅谷和美(野鳩)
細井ひさよ
望月雅行(劇団バルド/ハーリ・クィン)
【お問い合わせ】
[公演情報]http://www.agarisk.com/stage/12030801.php
[チケット]http://ticket.corich.jp/apply/33165/012/
[メール]info@agarisk.com