2012年を振り返る【今年の映画鑑賞BEST5】

さて、年の瀬ですね。
昨年は年を越すまでにこういった振り返り系の記事が書き終わらず、新年の2日くらいまで書いていたような気がします。今年も12/31にはなってしまいましたが、まだ夕方なので書ききってやろうと思います。
ということでまずは演劇や映画などの「観たもの・鑑賞系」の振り返り!
今年の個人的BEST5を選出して振り返ってみようと思います。
あ、独自の視点とか無いよ!ふっつーだよ!
■映画編■
第5位『SRサイタマノラッパー~ロードサイドの逃亡者~』
今年唯一2回見た作品。
最初は公開初日に行ったんだけど、会って2回目くらいの人と一緒に行ってその人の反応が芳しくなかったり、単純に自分がこの映画の肝である「歌の使い方」をスルーしてしまい、「なんだかものすごいエネルギーだけどどう受け止めていいのやら…」と租借しきれず、楽しめずにいた。で、思って2度目に一人で行ったら例の超ロングの長回しからのお馴染みの『俺らSHO-GUNG』が聞こえる流れでやられた。
あと同居人・淺越の買ってきたサントラを聞いたら『Ending』の次に収録されてる「Keep on Moving」に泣かされた。プロとかアマとか東京とか地方とか関係なく、好きなものを好きで居続けること、やりたい表現をやる続けることをロジック抜きで全肯定していて、なんだかんだで勇気が出る名曲。
第4位『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る』
3位との間で超悩んだんだけど、4位にしました。
2008年のPerfume以降アイドルを好きになっている自分は、AKBのことも「やっぱりすごい頑張ってるすごい人達だよ」とは思ってはいたのだけど、この映画を見たらそれが尊敬に変わった。
「スタッフが不甲斐ないだけの人災だ」とか「無理して過酷っぽく撮ってるだけ」って批判もあるかもしれないけど、それでも、この身の回りのことも見えないような目まぐるしさの渦中にいる彼女らの言葉は、ステージでの姿はとても胸を打つ。
皆が語る、西武ドームでの前田敦子の過呼吸からのフライングゲットは無条件で涙が出るし、ラストの出撃シーンみたいに点呼とってステージに出て行く姿からのエンディング曲『ファースト・ラビット』は超カッコよかった。
主にこの映画の評価はライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルの放課後ポッドキャストの影響も大きいかもしれないのだけど。この映画について語っている様がすごく楽しい。ラジオでも自分達でも。ある意味一番シネマハスラーの影響を受けた映画かも。
第3位『007:スカイフォール』
ダニエル=クレイグのジェームズ=ボンドが超カッコいい。
もともと自分にとっての007って、テレビでやってるのをチラ見する程度のもので、能動的に1作品を丸ごと見たことは無い作品だった。「なんか昔からあるよね」程度の認識。
だけどやたら評判のいい本作なので観てみることに。町山智浩が「本作見る前に見とけ!」と薦めてたらしい『ゴールドフィンガー』と、ダニエルクレイグ慣れするために借りた『カジノロワイヤル』だけ予習してから映画館へ。
そしたら…超楽しかった。こんな007ビギナーの自分にとっても温故知新やシリーズへのリスペクトがはっきり見て取れるくらいだったし、あんな台詞、あんなアイテム、あんな展開やそのときのあの音楽には映画館でガン上がりしてしまった。そして、無性にスーツを着たくなって帰宅(笑)いや、トムフォードのスーツでダニエル=クレイグの肉体だからカッコいいのは百も承知なんだけど。
第2位『おおかみこどもの雨と雪』
超いい映画であると同時に、個人的にとても喰らってしまった。
前にもこの記事で書いたけど、大事な人と一緒にちゃんと自分の生活を構築していく様が、あんなに魅力的に書かれてしまうと、現在の自分を省みて戸惑ってしまうよ…。
日々の暮らしや大切な人との絆などのいわゆる「生活」を脇に置いといて、非日常を作り出す自分のやりたい「企画」にばかり目を向けてしまう、「ハレ」に逃げてしまう節がある自分の価値観を、そのクオリティでもって揺るがされるっていう…。
そして、「親であることの充実感と孤独」っていう、自分が重視していない部分があんなに感動的に描かれるなんて。
さらに言うと、これを冨坂家の家族それぞれが見に行ったタイミングで、自分含め成人した子供達が揃って母親に心配をかける出来事があり、映画内の「子供の自立」であんなに感動したばっかりなのに現実で子供達の不甲斐なさを目撃した母親の心境はいかばかりか…と察して余りある。おかあさんごめんなさい。
まぁ色々と、「痛い痛い」という世間一般と違う目線で評価して忘れがたい映画になりました。
第1位『高地戦』
文句なしに映画館で一番興奮した映画。
演出の味付けが若干濃いめだったり、伏線を回収しすぎて世界が狭く感じたり、出てくる奴等が美男美女すぎ、って気もしなくは無いけど、「…でもそんなの関係ねぇ!」って感じ。だってそれってこの映画をエンターテイメントとして当てるぞ!って気概じゃん。
これまた予習のために南北分断ものの作品を沢山見てから臨んだんだけど、おれやっぱりこのテーマに弱いわ。いや、全然グッと来てる場合じゃない現実の問題なんだけど、物語として破壊力持ちすぎでしょ、この状況。
南北分断サスペンスアクションの名作『JSA』の例に漏れず、やっぱり北朝鮮と韓国が現場の兵士レベルで交流しちゃってたり、友情のようなものが芽生えたりするのに微笑ましく思うんだけど、それだけに終わらない悲劇が待っている。
公開終了したからネタバレしちゃうけど、そんな南北分断ものでありながら「南北ともに現場は停戦を望みつつ渋々やってた戦争」で「ようやく停戦が決まって歓喜した直後」に「でも停戦は12時間後に有効になります、それまで陣取り合戦を続けなさい」と、停戦を知った上でやりたくも無い戦闘(しかも最後の最後だからと一番激しい総力戦)を強いられる前線の悲劇がやばい。
「もう戦わなくってもいいんだよ!バーニィー!」って何度心の中で叫んだことか!面と向かって殺しあってる相手は北朝鮮の兵士であり、韓国の兵士だけど!本当の敵は!「戦争」そのものだよ!と誰もが心の中で叫びながら殺しあう悲劇。これ残酷すぎでしょ。
Twitterでも書いたけど、そういう意味で『0080ポケットの中の戦争』がポケットに収まりきらず高地一杯に充満してる映画。最低の戦場を舞台にした最高の映画。戦争映画とポケ戦とイデオン発動編が好きな人はマスト。
【総評】
今年は こんな感じ で19本を映画館で観た。ウィークエンドシャッフルのシネマハスラーで当たったのばっかり、しかもハスラーに限らず評判を聞いて良さそうなのばっかり行くという安全パイすぎる映画鑑賞体験でした。おかげさまで面白い作品ばっかり観た年だったけど、来年は自分の嗅覚で探り当てたいところですね。

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