先日、新宿コントレックスVol.5で上演した、『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組』の映像が出来上がったのでYouTubeにアップしました。
エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組
撮影・編集を手がけていただいた、シガラキの細居さん、誠にありがとうございます!
このネタは、アガリスクのやってるコントシリーズ「AC~アガリスクコント~」の中でも今のところ一番の傑作だと思うんですが、それ以上に、今までのアガリスクがシチュエーションコメディと向き合ってきた歴史や葛藤、そこに対する一つの回答を22分に圧縮したものだという自負があります。
どうせだから最初から語りましょう。
長いのですが、ご興味ある方はお読みください。無い方は動画だけご覧ください。
月: 2012年6月
『お父さんをください』稽古はじめ
アガリスクコント新作稽古に向かう。
そろそろ三人体制での決定版を作らないとだ。
そしてこれは「机を囲んでの話し合いで最大限ネタとして盛り上げる」っつー、ナイゲンの前哨戦だったりもするのだ。
AC新作『お父さんをください』
出演:淺越岳人/鹿島ゆきこ/塩原俊之
新宿コントレックスVol.6
7/13(金)19:30〜
新宿シアター・ミラクルにて
https://ticket.corich.jp/apply/37155/
帝京大学へ。そしてヴィクセンズシアターへ。
アガリスクによく出てくれてる大学生、木村ゆう子が初めて演劇の脚本・演出をすると聞き、そしてそれがシチュエーションコメディをやると聞き、見に行った。帝京大学の学内公演。
帝京大学ヴィクセンズシアターのVol.80(代々続くとはいえすげー数だな)
「short 4 you」という短編4本立て企画のうち、彼女が作演したのは最初の一本『僕たちの嫌いな先輩』。
■演出の言葉■
こんなこと言うのは小っ恥ずかしいのですが先輩方に出会わなければ脚本なんて書けなかったと思います、この作品をさほど世話にもなってない大嫌いな先輩方に捧げます。
■あらすじ■
大学三年の大野はサークルの追いコンを成功させ想いを寄せる先輩・東条に告白しようと考えていた
しかしそこへ一年の間宮がサークルの借金王・早見から金を取立てるためだけにやってきた!
そんなことをされてはせっかくの追いコンが台無し、告白どころではなくなってしまう
高校の後輩・戸塚の協力のもと早見と間宮を会わせまいとする大野だが嘘に嘘を重ねて事態はなんだかとんでもないことに…
■感想■
木村ゆう子女史が初めて脚本・演出した『僕たちの嫌いな先輩』を観て来た。帝京大学ヴィクセンズシアターvol.80「short4you」より。よく見るファルス型シチュエーションコメディに実在の「部費不払い問題」を絡めた作品。タイトルに見られる冷めた視線を最後まで貫いたのに好感。
嘘つき誤魔化しシチュエーションコメディって大抵最後はぬるめな人情噺に落ち着くことがあるんだけど、そこはうまく避けつつ。7人という出演者にうまく役割や要素を振り分けていたのも好感。ただ言うほど主人公が追い込まれず活躍もしないのは残念。とりあえずアガリスク旗揚げよりは上手い。
と、以上をTwitterに書いたのだけど、追記。
突き放した、恥ずかしくならないトーンで進行するあたりとかは酔って無くていいなぁ、と思う反面、ぶっちぎりで「これ好き好き超やりたい!」ってのが見たかった気もする。あ、でも“ファルス型シチュエーションコメディ”ってのがそのやりたかったことなのか。ぶっちゃけ「先輩からの部費の取立て」って、その形式にしなくてもドラマ作れる題材だもんな。
その反面、↑みたいな「型」(嘘ついてごまかして勘違いが起こるファルス型シチュエーションコメディなんて全部型ですよ、何を流し込むかになっちゃうんですよ)に徹しているのに、台詞のチョイスや登場人物の行動原理や判断基準などの細部に、タイトルや「演出の言葉」にも見られる作者の思想が色濃く出ているのは面白いなぁと思った。
コメディとして畳み掛ける部分の演出は的確。ウケるポイントで他のことをせずに一気に攻めるところ、一番ウケたい時間帯にネタを集中させたのも良いと思う。
難点は序盤の嘘さとダルさ、そして誤魔化すときの嘘さ。この形式のコメディにありがちな(そして俺もよくやっちゃうんだけど)始まってからの説明パートのわざとらしさとつまらなさが結構キツい。そして中盤の「この人にこの話を聞かせたくない」となったときの誤魔化し方、「手刀で気絶させる」ってどうなんだ(笑)
いや、多分「どうせ型なんだからあえてやっちゃえ」「ムリクリさで笑ってもらえればラッキー」という開き直りなのはなんとなくわかるんだけど、その「わざと」であり「抜いた」ネタを成立させるには、他の部分の完成度が足りていなかったのでは。
言っちゃうと、出演者の演技が「台詞を読む」と「タイミング」でしかないレベルなので、全然切迫しないのと、怒ったり困ったりしたときのやりきって無さにゲンナリしてしまう。とりあえずそこはフルスイングしとけよ、と。
「シチュエーションコメディは一番難しい」とか「シェイクスピア俳優も苦戦する」とか聞くたびに「えー、そんなことねーよ」と思っていたし、アガリスクもこと演技力に関して他人にあーだこーだ言えない側なんだけど、それにしても「え、演技力…大事…」と考えさせられてしまった。
他の演目については、「大家はめぞん一刻を見習え!そして幼稚さ極まるガキ二人を殺せ!」「森見登美彦が好きなんだろーなー」「え、この人ホントにビートルズ好きなの?」とか思った。そして全体的にロリキャラがキツかった。
そして、公演形態はなぜ日曜1公演だったのだろう。せっかく学内でやるなら、平日から短編をバラにしてポコポコやればいいのに。学校の友達が来てくれるうちに見せておけばいいのにーと思う。ま、色々と制約があるんだろうけど。
それにしても、休みの日の帝京大学は何も無いな…学内のコンビニも学食も閉まっており、サークルに勤しむ学生も、何やってるんだかわからない妖しい人もいない。
トイレの綺麗さと文化は反比例する、って唱えてるやつがいたけど、かなり当てはまる。
こんな綺麗なところじゃあ小野さんが住めないじゃないか!って。
写真撮影続く…
またも次回公演出演者の写真を撮って回っているんだけど(1on1でゲリラで撮ってます)、今日撮影した役者の方が、なんと市川市在住だったぜ。しかもモトヤワターで、住んでるのはアガリスクハウスの超近く、町名でいうと隣でした。
昨年のシアターグリーン学生芸術祭で観て、その後9月のコントレックスで共演して以来、パワーというか振り切りっぷりが魅力的だなぁと思っていて、ご近所とは露知らずオファーした人でした。
今日、今までの人の撮影場所の話をしてて、コルトンプラザを知っていたので意外に思い、あらためて聞いたら本八幡在住でした。
なかなかいないのよね、演劇やってる人で東側に住んでる人。
ここまで言ったら「で誰なんだ」ってなりますよね。まぁぶっちゃけ隠す必要はないしそんな引っ張ることでもないんだけど、そうするとみんな発表しなきゃいけなくなるので、もう少しお待ちを。
代わりにメンバーの制服写真でも載っけてお茶を濁します。
【淺越】…写真苦手なのが丸わかりですね
【塩原】…プロレスラーというテーマを決めたらいきいきしました
【鹿島】…写真苦手組。頑張って可愛いポーズをする様こそが健気
総じて「◯◯風」みたいにテーマを決めると、苦手な人もいい感じに撮れるということがわかりました。
それにしても鹿島さんとか250マイくらい撮ったぞ。それだけなかなかクリティカルヒットが出なかった、という…
途中、「メンバープロフィールをこれにして欲しい」と言ってたのはどういうことなのか。正気か?制服だぞ?
本人は「今のの写りが悪いから変えたいだけ」って言ってたけど、俺としては「こやつ…ノッてるのでは?」と推測した。
まぁ背景も雰囲気も違うからどっちみちこのシリーズのは使えないんだけど。
ハードル下げ日記
ブログを書こうとするとついつい長くなっちゃったり、逆にそれが続くと内容がないと書けない気がしたりと、ブログとの距離がつかめずにいます最近。
構成も考えずポロポロ書いてハードル下げマース
●『ナイゲン』大絶賛準備中
アガリスク次回公演『ナイゲン』の準備に追われています。塩原さんのブログでも触れているように、チラシに使うキャストの写真を撮影中です。と言っても裏面になんともいえない顔写真が並んでるパターンじゃないので安心して!
今さらながら高校生の格好をしているわけですが、いざやってみたらあんまり違和感がなかった。そして冨坂が役者を呼び出して撮っているのですが、一対一で写真撮って、そして一人あたり百枚くらいの中からデザイナーに渡す候補を選んでいると、イヤでも愛着がわくもので。
稽古が始まる全然前から既に出演者のことをちょっと好きになっているという始末。
脚本家としても演出家としてもなかなかいいアイドリングになるけど、あまりにも泥臭いし手間なのも事実。まぁホームならやるよね。
●翠組『放課後サマージャム』開幕
脚本を書かせてもらった、シアターグリーンのアリーエンターテイメントプロデュース、翠組の『放課後サマージャム』が無事幕をあけたようです。おめでとうございます。ご覧になった方ありがとうございます。
実は初日に間に合わずまだ見に行けていないのですが、稽古でどうなっているかは見ずにいるので、わりと純粋に楽しみにしています。
●オカザイルが面白かった。
人から借りて見た、めちゃイケのオカザイルが面白かった。そして、ある程度作り物としても、構成がうまい。っていうか脚本として巧み。きちんとふっておいて(それもただの準備じゃなくてネタとして)、ちゃんと使う。伏線としてまっとうでたまげた。
●AKB48の第四回総選挙を楽しんだ。
AKB48の第四回総選挙を、ネットで見つつ、某所でTVでも見る、という無料の範囲内で最大限楽しんだ。
自分は投票はしていないで眺めてる程度のスタンスだったのだけど、「みんなちゃんと喋ってるなぁ…」と。
まぁ当然色んな意見があるんだろうけど、若い人が真剣にスピーチをする姿ってやっぱり良いなぁ、と。
っていうか、スピーチって良いなぁ、と。
「ネタをする格好良さ」ってあるけど、そして自分も何年間か信じてるけど、「スピーチの格好良さ」が相当好きだ、下手したらそっちの方が好きだ、くらいに思っています最近。
もちろん気合入れすぎだったり、酔ってたり、視野狭窄だったりするかもしれないけど、その中で発される言葉って、胸を打つんじゃないか。
などと、高校時代のアレコレを少しばかり重ねて見たりもしていた。
それにしても、たかみな先輩はかっこいいッス!敬語しか出ない。
さて、という徒然語りでした。
あ、書き忘れた。新宿コントレックスVol.5は無事終了しました。
アガリスクは『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組』を持っていきまして、そして会場の空気を持っていきました。ここだから言うけど、ちゃんとメインイベンターの仕事をしたぜ。
シガラキの細居さんがガッツリ撮影してくださったので、わりとちゃんとした映像も残せそうです。
唯一残念なのは、鹿島が出てない二人体制だったということ。
次は7/13なので、三人体制の決定版を作って挑もうと思います。
20分、三人芝居、一本勝負。『お父さんをください』乞うご期待。
抱負的雑記
夢の中でも劇団員とコントを作り、上演後それをあーだこーだ言ってるところからして、あぁ、自分は演劇がすきなのだろうなぁと思う朝。
コントレックス5もおわり、これから次回公演『ナイゲン』が(今までも水面下で色々動いてきたけど)本格的に色々なって行きます。
その前に7/13にコントレックス6があるし、そこに新作短編出すけども。