作業して稽古

昨日のたくさんの撮影で撮った写真を閲覧用にGoogleフォトにアップしつつ、それを待ちながら事務仕事をして、色々な脚本のアイデアを整理する。

それと同時に素敵な動画を見つけた。
先日、Spotifyで流れてきて「おっ」と思った曲・平井堅の『君の好きなとこ』の松浦亜弥カバー版。

とても好きだった。音源欲しいけど、これは出てないんだよなぁ。

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川口菊池の稽古。

前半を台本持ったまま通してみよっか!ということでやってみる。だいたい30分。
良いところはとても良いんだけど、コントの身体じゃないのと、生理で笑えるテンポや間じゃなかった。根底に「面白いことやる」が流れてないというか。

先日の「コメディ感を表現しようとしないで。本当に別れ話するくらいのフィクション値でやって」って言ってたのと矛盾するように聞こえるんだけど、微妙に矛盾しない。
同じ台本だけど、多分デフォルメのレベルを箇所によって細かく変動させなきゃいけない本なんだと思う。

長いこと「このセリフはこうで」などと解説しつつ返すのをやって、リトライ。だいぶ良くなった。

そんなに共通言語を持っていない俳優との稽古は、時として進みが遅いとか非効率的にも見えるんだけど、とても勉強になる。
脳内で喋りながら書いて、いつものメンツが自然と汲み取ってやっている表現を、「なぜここはタメるのか?」「タメる生理とは?」を考えるし、ここはお話からハミ出てツッコむよねってポイントを「その前のセリフから言外にツッコむ気持ちを持っていればここで出られる」など、言語化して論理的に捉え直す機会になる。

二人とも、ノリノリの良いセリフは真っ直ぐにノリノリにやってくれるので、そこらへんは楽しい。


撮影につぐ撮影からの会議

朝から某撮影。

目覚ましをかけていたのに寝坊してしまった。
起きたら集合時間。
焦って荷物をまとめ、タクシーを拾うと20分でついた。すいませんでした。

初めての場所での撮影だったけど、異常に懐かしかった。
それはメンツによるものでもあり、場所があそこに似てるからってのもあり。

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そして場所を変えて年賀状やら宣材写真の撮影。
例年通り石澤知絵子さんに撮ってもらう。
ジャンプさんも書いてたけど、これを撮ると年の瀬だなぁと感じる。

家に帰って、頂いたデータを見てみたら、みんながフォトジェニック過ぎてびっくりした。
毎年撮ってもらってるから流石に慣れもあるんだろうし、知絵子さんの撮影もあるんだろうし、衣装もあるんだろうけど。

年賀状はアガリスクラブ(って名前もそろそろどうにかしないとな)に住所を書いてくださった方には郵送してます。

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その後、場所を移して定例会
国府台ダブルスのこと、その後のこと(特にその後のことを重点的に)色々と詰めた。

「いつものメンツ」「ドメスティック」だからこそ、外に開いていないといけないよね、と。
キムタクも言ってた、Town&CountryのCMで。

メンバーが固定されているからこそ、それを外に向かってどう伝えるか、見せるかを考えなきゃいけない。
でも、座組みのメンバーをコロコロ変えて、関わる人を増やすことで認知度を広げていく演劇公演のやり方よりも、そっちの方が好き。そして王道なんじゃないかと思っている。

話が逸れた。
とにかく、演劇の練習こそしてないものの、とても劇団としての活動をした一日だった。
こういう日を増やしていきたいし、演劇の上演成果っていうのはこういうものの表出した結果・氷山の一角なんだと思う。

稽古といつものインドカレー2

寝坊をした。

動物にエサをやる係になったけどめちゃくちゃヘタだった夢を見た。なんだこれ。
ニラと紙を手に持ちながら、どの動物に何をやるのか忘れて立ち尽くす。
ツルにニラ、ヤギに紙で正解みたいだったけど、結局あいつら全然食わなかった。 そもそもツルにニラって合ってんのか。

昼間は晴れていたので、某撮影用にヘルメットを塗装。

2019年の令和の世にヘルメットを塗るのって不思議だけど、何かアガるものがありますね。

『発表せよ!大本営!』のDVD用の映像のチェック。
なるべく映画みたいに、サクサク・パッパッと画を切り替えていきたい。
序盤の報道部3人の「言い回しを考えるコント」が楽しい。
そして、全体的にネタというかファニーを貫きながら、ややこしい自体を説明しきっていて、我ながらちょっと感心してしまった。

>お客様各位
作ってるので少々お待ちください。

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川口菊池企画の稽古。
劇中で使う小道具というか効果?の実験をしてみる。これは…だいぶ濃度とか粘度とかあれこれの調整が必要。イズモギャラリーの近い距離で成立させるの大変そう…。

稽古自体は、例によって細かいニュアンスとか「ここがこうだからこうなっててですね、」とかを解説もしつつ。
中盤に、切ないんだかバカみたいなんだかわからない、エモーショナルなシーンがあるんですが。
そういうグッとくる台詞になると出力が上がるあたり、川口さんも菊池くんもひねくれてない若い役者さんらしいなぁ…と微笑ましくなるのでした。

* * *

昨日のカレーをちょっと後から手を加えて改良したやつ。邪道かもだけど。
コクとまろやかさをブーストしつつ、スパイスをテンパリングしたオイルで油分と香りを足してみた。
わかりやすく濃厚で旨くなったけど、スパイスの切れ味はそんなでもないんだよなぁ…。
なんだろう…パウダースパイスの気が抜けちゃってるのかなぁ…。

* * *

明日は宣材写真とか年賀状用の写真を撮る日。

稽古といつものインドカレー

『卒業式、実行』の改稿のために、イベントの整理、登場人物の整理など、組み立てるための地味な作業をする。

夕方から川口菊池稽古。
和室でやりやすかったので、立ちつつ、動きつつやってみる。
「この言い回しになってるのはこういうニュアンスがあるからで…」「ここはこういうディスコミニュケーションが起こってて…」とか細かく解説していくのでかなり時間がかかる。
そして「ベスト夫婦喧嘩作品!」って言って『最高の離婚(第4話)』を見せる。

帰って、家に野村亮太が遊びに来て色々話をしながら、俺は俺でカレーも作る。基本のインドカレー。
鶏肉を煮込むのではなく香ばしくソテーして、後からソースに入れた。
玉ねぎもヒグマ色になるまで炒めた。

なのに、なんだろう?香りが弱い。

クミンをホールで使うのを多くしてパウダーを少なくしたから?
スパイスを入れてから炒めるのが長くて香りが飛んだ?(ある程度は炒めた方が香り出るはずなのに)

全体的に深めの味にはなったが、なんだかカレーらしい香りが弱いカレーになってしまった。

草枕、そして顕史郎さんとのお茶

ジャーマンポテトを作り、台本の作業をし、新宿三丁目へ。

大好きなカレー屋であり以前バイトしていた(今も籍は…ある?)Curry草枕へ。
久しぶりに店長のウマさんに会った。
店の周年のトートバッグをもらった。前回より生地も厚く豪華になってた。
つくづく思うけど、新宿であの価格で12年間も飲食店をやるのって凄いと思う。そして、あの自由な空気を保ったままそれを達成しているのが本当に尊敬する。
何よりカレーが美味い。

* * *

中田顕史郎さんとお茶、というか定例でいろんな脚本の話。

お互いが今やってる演劇の話をひとしきりしたあと、ウルトラ愛溢れる顕史郎さんが爆アガりしてた『宇宙からの婚約者』の台本を渡して、ちょっと中身について話したり。

メインの議題である『卒業式、実行』再演の改稿について。
結局、クライマックスの先輩の「卒業生の言葉(俗にいう答辞)」の部分で何をやるかのパズルを組んで、それ合わせで前を作っていくしかないよね、と。
『いざ、生徒総会』の劇構造とクライマックスのエモさが強いから、それに負けないものにしなければならない。

帰る直前に、仕事道具としてのデュアルディスプレイの話になり、そこから「PC(入力端末)と紙(メモやアイデアをまとめる媒体)」の話になり、結局ホワイトボードなんじゃないか?という話になった。
その結果、前回の記事で書いてた外付けのディスプレイを買う以前に、家にあるホワイトボード使ってないじゃん、と思い出し、こうなった。

卒実脚本会議と川口菊池稽古

タイトルの通り、昼間から夜まで通しでいつもの施設へ。
まずは淺越と『卒業式、実行』の脚本会議をして、夜から川口菊池と二人芝居の稽古をしてきた。

ルームシェアとか演劇の稽古とかしてないと会う頻度が比較的下がるからか、最近見た作品やらなんやらについて喋ること喋ること。
結論「演劇×ご飯の理想の形は、舞台版どっちの料理SHOWだよね」。

『卒業式、実行』の脚本会議では、全く新しくなるクライマックスの展開をあれこれ話す。条件を整理はするが、イベントのパズルは完成せず。
逆サイドというか、それぞれの登場人物に何をさせるかから考えてみよう、ということで、各キャラのキャラ紹介と“どう変わるか”を整理する。
改めて書き出してみると、キャラ紹介のなかに“どう変化すべきか”が入ってるんですよね。「こういうやつってことは…こうなるとアツいよね」が自ずと定められてくる。

卒実副委員長:津和野の可笑しくて悲しい良いシーンができたり、鹿島先生の登場時のポジションとラストのあり方がハッキリしたのと、矢吹先生のスタンスがハッキリした。あと初登場のキャラ・伊藤さんのニクいシーンも決まった。コータさんの役は「しょうもな!」と笑えるけど見方によっちゃ哀しいのにしたい。

もとがどんなだったかを知りたい方はこちら。定点だけど本編をフルで流してます。

皆の人物配置と、それぞれの変化を一覧してみると、ちょっとマンガ的というか、ステレオタイプかな?というきらいはあるんだけどね。
でも18人を2時間でしっかり機能させるとなると、ある程度しょうがないというか。
むしろ「待ってました!」とか「だよねぇ、こいつはこう来ると思ってた!」でアガる方向にもっていきたいと思っている。

淺越とも喋ってたけど、『発表せよ!大本営!』の海軍軍人がキャッキャするところのシーン、木田大佐がゆったりと喋りながら入ってくるところ、あそこの「なんかカッコイイ」風・「キメのシーン」風のって、つい笑ちゃうんですよね。「待ってました!」×ちょいダサって、笑っちゃうし、アガる。

そういうのにしたいっすね。
あと今日はスラムダンクの例えばっかりしてた。安西先生の「聞こえんのか? あ?」とか。
どこのシーンでそれをモデルにしてるか、探してみてください。

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そのまま同じ部屋で川口菊池の二人芝居の稽古。

ついつい「演じよう!」「パフォーマンスしよう!」という“モード”に入ってセリフを読もうとするから、それを止めたり。

もちろん観客に「見せる前提」「こういう情報を与える」って意思は大事なんだけど、その意識と、目の前の人物のやりとりに敏感になるのは矛盾しないんですよね。別の階層っていうか。相反関係じゃない。

あとは「ここのシーンはこれのここに影響を受けてますよ」っつって『いつ恋』最終話をFODで見せたり。

そしてラストシーンをちょっと解説しながら改めて読んでみた。昼間に淺越と喋ってていいアイデアが浮かんだから、補足のシーンを説明しながら。
まさか自分の作品であすなろ抱きするシーンが出てくるとは思わなかった。

今回の『宇宙からの婚約者』、俺の書く『わが家〜』系・ラブストーリー系の中では、かなりそのセンを更新してるんじゃないかって気がする。
ちょっと本当にいい話な気がしてきた。ご期待ください。

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ロバート=デニーロとアル=パチーノが出て、マーティン=スコセッシが監督するマフィア映画『アイリッシュマン』に、ジョー=ペシも出ると聞いて、ときめきすぎている。

ときめきすぎて、『グッド・フェローズ』が見たくなっている。


観劇とコータさんとのラジオ

ウルトラマンネタの二人芝居を書きつつ、『卒業式、実行』の直し案を漠然と考えつつ、新左翼界隈について調べている(今後それ関係の芝居を作るんですよ)。
オランダにおけるナチスドイツ、大本営発表、そして現代の新左翼。また取材系のネタだ…。しかも現代だもんな、調査不足があんまり許されない題材である。
そのうち発表されるのでお待ちください。

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演劇ごはんを見てきた。というか食べてきた。
実際の飲食店を使って、料理に絡めた演劇作品を見せる、という企画。
出演者にお誘いいただいたというのもあるけど、舞台となる店がナポリピッツァの名店(らしい)だったから。

感想としては、正直、「ピザは美味しいけど…」でした。
演技とか演出とか脚本の細かい筋がどうとかじゃなくて、たぶん構成というか設計思想があってないんじゃないかなーという。

演劇見て・一皿食べて・演劇見て・一皿食べて…という構成、飲食店であちこちにテーブルが点在していて真ん中に役者のテーブルという会場の配置、あとそもそもジャンルとしてご飯食べながら見るのに推理モノが向かないんじゃないか?という。
普通に芝居見るより忙しいし、気が散りがちなので、能動的に情報を処理する気にならないんですよね。
あと「探偵が犯人を推理する」っていう緊張の芝居と、「メシを食う」っていうどうしても緩む行為とのマッチングの意味でも。

昨年「レストランで元恋人同士が鉢合わせした」って作品みたいに、“お話”を見る演目の方が向いている気がする。ライトなコメディを“眺める”くらいのスタンスの作品。

わざわざ自分のブログでけなしたいっていうわけじゃなくて、イベントの性質と作品ジャンルの組み合わせっていうのは、脚本の腕とかそういうの以前に、基本の設計思想の段階でちゃんと考えなければいけないんだなぁということを再確認したのでした。

その場・その顧客・そのテーマに対して、どういうジャンルの作品をぶつけるか。とても大事なことだけど、あらすじやアートワークにも関わるから先に決めなきゃいけないという、難しいポイント。
肝に銘じようと思う。

* * *

その後、一緒の回を見た斉藤コータさんを招いて、ジャンプさんとのラジオを録ってきた。
最近のアガリスクを知っている人は、「コータさんって劇団員じゃないの?」「コメディユニット磯川家って?」あたりをあんまり知らない気がするのと、あとは斉藤コータという俳優がコメディをどう思っているのか、どういうところに気を使って稽古するのか、などなど俺も改まって聞いたことがないことを沢山聞いてきた。

あとは『卒業式、実行』再演でのコータさんとジャンプさんの役がどうなるか、どうしたいか、みたいな話。

11/22(金)の夜に公開します。

冨坂・矢吹のシチュエーションコメディクショナリー

 

物欲とソニーのカメラ

最近、物欲がすごい。

普段はあんまり物とか欲しくないのに、なぜだろう。価格.comとAmazonばかり眺めてしまう日々だ。

前々からカメラの基本を学ばなければと思っていたのだけど、川口菊池の二人芝居のイメージビジュアルを作り直すことになり、その時に菊池泰生のミラーレス一眼を借りて撮ったら、かなり苦戦してしまった。
でもそれにより、かえって写真をちゃんと考えよう欲が出てきた。

今欲しいのはこれ。

SONY DSC-RX100(初代)

SONYの高級コンデジの中の初代で安くなってるやつ。名機らしい。
これにWi-fi機能のあるSDカードを挿してスマホとかGoogleフォトに同期していけたらなぁ…という。

カメラを買うことで写真を撮る習慣がつくのか、はたまた、写真を撮る習慣がない男がカメラを買っても無駄なのか。
どう出るか。

とりあえず、プロカメラマンがこのカメラで撮った写真だけを載せたり、このカメラでの撮り方を紹介しているブログを読んでみようと思う。

Sony DSC-RX100だけで撮るブログ


本日は国府台ダブルスの『卒業式、実行』のプレ稽古をして、その後に榎並さんと津和野くんと淺越と対談を録ってきた。


お知らせ

 

『みんなのへや・改』終演しました〜そして『わが家』へ〜

だいぶご挨拶が遅くなってしまい、申し訳ありません。

番外公演としてやっていた冨坂企画の『みんなのへや・改』が無事終了しました。
ご来場下さった皆様、関係者の皆様、誠にありがとうございました。

この企画、当初は夏と秋に予定していた外部の公演が流れたことにより「じゃあ自分で劇団メンバー以外との公演打っちゃえ!」と始めたものだったのですが、とはいえ演劇公演ってなかなか「ただの仕事」としてだけでは打てないものでして。色々カロリーがいるしね。

今年の夏・秋は劇団の長編公演を打たないで色々準備したり修行するシーズンだったので、演出家修行としてやることにしました。
6月や9月に講師をしたワークショップや、feblaboナイゲンでの皆へのアドバイスに続く、「ウケるためのあの手この手を伝える演出言語を獲得しよう」という修行。

月並みな表現だけど、とても勉強になったし、引き続き「デフォルメする」「絵のタッチというかペン先を鉛筆やボールペンからマジックペン級に太くする」という演技論に関心が出てきた。
登場人物としての心情とか反射で動く肉体みたいなのをキープしたまま、いかにフィクション値を高くできるか。
これがコメディに振り切る為には大事な気がするし、それができると演技の「腕力」みたいなのが上がる気がするんだよな。


さて、今回のメンバーのことを少し書きます。

江益凛…ストーカー役
この中で唯一の一度演出したことがある俳優。
アクティブで熱血漢で、端的にいうと「気合が入ってる」演劇人で、あとはもちろん笑顔が可愛いので、ナイゲンの3148とは違ってガンガン動いてニヤニヤ企む役をやった方がいいよなぁと思ってストーカー役をお願いした。
大人数でごちゃごちゃ喋るときの台詞の間とかニュアンスは苦戦していたけど、それを補って余りある作品冒頭のやりきり感に拍手。
初演でも結構長いこと一人で部屋をウロウロしてもらったのだけど、今回さらにその部分が膨らみました。

野村亮太(やまだのむら)…優也役
feblaboのナイゲン(2018年版)で知り合って、色々話をしてた(けど演出はしてない)俳優。今回は「思いっきり笑いを取ることに注力しようぜ」と思ってご一緒することに。
器用で引き出しが多いというか、基本的に上手い。あと誰かを好いてるより好かれてる方が似合うってことで、作中で想いを寄せられまくる男・優也に。
ついつい自然な反応をしすぎちゃうので「ファルス型シチュエーションコメディの嘘」の部分に苦戦してたけど、意図を伝えれば大体すぐ対応できたのがすごい。
物事を積極的に進めてくれるので、一家に一台というか、一現場に一人いると作品がグインといい感じになる。

石井智子…杏子役
実はスケジュールの関係で出演者募集のWSには来られなかったのだけど「とりあえず出たい気持ちだけは伝える!」という熱い連絡をくれまして。迷ったけど、別作品の映像などを見て「この作品にはこういう明るく楽しく女子感のある人が必要では…?」と思って出てもらった。
相手との自然なやりとりとか手触りみたいなものを重んじる人で、ウケるための段取りや、生理を無視した同時多発気味の会話には苦戦していたみたいだけど、絶対やらなそうな人だからこそ振り回されるのが面白い。
「…ゆっくりしよ?」「理由とかよくない?」の小悪魔感のデフォルメ具合が絶妙。絶妙にリアルで、絶妙にバカっぽい。素敵。
初演からセリフあんまり変わってない割に、一番キャラクターが変わった役になった。

坂内陽向…沼田役
ワークショップでは、笑いを取りたいところで色々仕掛けてて、でも絶妙にそれが空回ってて、その感じが逆に面白くて「おっ」と思って、長いこと一緒に稽古するとその感じすら使えそう、と思って出てもらった。
正直、このメンツの中だと決して器用なタイプではないし、謎の力みによっておかしなリアクションになったりと苦戦しまくっていたけど、その「信じ切っちゃう」「全部betしちゃう」演技は観客に嫌われないタイプだと思う。

平田純也…賢一役
年齢的には座組で最年少だったけど、若い頃からやっててキャリアもあるし、あとこういうコメディ的な処理がとても器用な人。ワークショップで一度見ただけで「できるやつだぞ」というのはわかったけど、いざご一緒して見たら演技以外も大変気が利いて大人な、出来た人だった。
具体的な指示ってよりも「こういう要素が欲しい」ってオーダーすると上手いこと色々改善してくれる役者で、ちょっと前に自分演出で一人芝居やったって聞いて納得したけど、演出的な、客観視が出来ている人だなぁと。
たまに演出家みたいな目線で「おい自分の役忘れてるやろ」になるのが面白い(いや、ダメなんだけど笑)

渋谷裕輝…泥棒役
ワークショップに何回か来てくれて、真っ先に「あっこの人うまい」と「最近よく目にするお笑い芸人の誰かに似てる…!」の二つの感想を覚えた。
なんというんだろう、パッとできる器用さと共に「やらなさ」というか「恥の概念」をすごく強く持ってる人で、そこが信用できる。
だからこそ、つまみを思いっきり捻って、ここぞというところでエネルギーを放出すると面白い。
見た目も物腰もめちゃくちゃ落ち着いているんだけど、YouTuberが大好きなところに「あぁ若者だったんだ…」と思い出させられて落ち着く。

中田由布…大家役
役割のレベルで、初演と最も大きく変わったのは、この「大家」という役だと思います。ちょい役だったところから、このお話を最後に締めくくるオチを担う役になった。
最初は「一人だけちょい役って脚本として上手くないよなぁ」「“みんな”の部屋じゃないもんなぁ」という作家的な思惑からだったんですが。中田さんの最後の笑顔の威力(可愛らしさだけじゃなくて、キレの良さというか、なんだろう、威力としか表現できないんだよな)で「これは…!」と決まった。
ふんわり穏やかなようでいて、共演者が悩んだ時にもマジで頼りになる先輩でした。


愉快なメンツで、ただのコメディを、時間かけてつくる。
という贅沢なことをさせてもらったので、自劇団での巨大な山脈みたいな作品作りに戻ります。

各メンバーの作品振り返りは こちら で、
冨坂の作品振り返りは こちら で喋っています。

ご興味あればどうぞ。

『みんなのへや・改』稽古終了

稽古が全日程終了。

昼から細かく詰めて、その後、ちょっと前から決まっていた衣装などなどを全部揃えて通し稽古。

今回の作品は物語を演じるってよりも、スポーツとか早い音ゲーみたいな感じなので、ノーミスで乗りこなすのが結構難しいのですが、今日の通しはちょっと雑だった感も。

ただ、やっぱ衣装つけてフルでやると「らしさ」が全然違う。
それは見る側だけじゃなくて演る側も何だろうな。
スポーツとしてのパフォーマンスはそうでもなくても「実在感」が違う。「そいつら」がいた感じ。

今回はCHARA DE asagaya合わせで演るしかない部分が沢山ある舞台の使い方・演出プランなので、明日の場当たりが腕の見せ所であり、楽しみであり。

17(水)から始まります。
ぜひぜひご来場ください。


『みんなのへや・改』

【日程】

2018年10月17日(水)〜21日(日)

10月17日(水)19:30
10月18日(木)19:30
10月19日(金)14:30/19:30
10月20日(土)13:00/18:00
10月21日(日)13:00/18:00

開場・受付開始は開演の30分前です

【会場】

CHARA DE 阿佐ヶ谷

JR中央線「阿佐ヶ谷」駅徒歩5分(高架下の阿佐ヶ谷アニメストリート内です)
〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南2丁目40−1

【料金】

一般料金:3,000円
前半料金:2,800円…(前)のマークの回
高校生料金:1,000円…高校生以下のお客様。要生徒手帳提示。

【チケット発売】

2018年9月16日(日)AM10:00〜
ご予約はこちら